アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
どういう事?にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
どういう事?
-
とにかく走った
後ろから原井が追いかけて来ていたが無我夢中で走っていた
細い路地を抜け大通りに出る
いつの間にか辺りは暗くなっていた
「ねえ、楽…どういう事?原井達にいじめられてたの?」
蓮は俺に静かに問いかけた
「…うん、ごめん」
蓮は俯いたまま話し始める
「なんで何も教えてくれなかったの?俺じゃ…頼りないかな」
違う…ただ、心配かけたくなかったんだ
そう言おうとした時不意見えた蓮の顔が寂しそうに見えた
「蓮……」
いつも一緒に居た
どんな時も俺を一番に考えてくれていた
そんな彼は、俺が頼ってこなかった事に対しすごくショックを受けていた
「あっ、そうそう…原井達が俺がお前の事好きだ…みたいな事言ってたけどアレ、デタラメだから。大体、男が男を好きなんてさ…有り得ないし笑俺は、ゲイでもなけりゃ極普通の男子で女が好きだよ…」
言い終えた後ゆっくりと瞼を閉じた
蓮の頬につぅーと涙が伝った
全く、昔から変わってないな
嘘が下手なところとか…全部顔に出ちゃってる
本当に下手くそだ。嘘には聞こえないっつの笑
俯いててもわかる、蓮が泣いていること
「あーもう、本当にお前は」
どうしようもない奴
「ごめん…なんで好きになっちゃったんだろ」
俺は蓮を抱き締めた
「こんなに苦しいなんてさ…誰かに触れられたくないって、俺だけのものにしたいって…欲張りになる」
蓮の涙で俺の肩が濡れた
「原井に触られてた時も、何も出来ない俺が憎くて…友達一人も助けられないなんて…俺なんかお前に頼られる資格ないよな、俺を頼らなくて正解だよ」
さっきよりも力を入れて抱き締めた
「何言ってんだよ、俺はお前にだけは知られたくなかった。原井達にいじめられてること…こんな事知ったら絶対お前は、無茶してでも原井達の事ボコりそうだし…問題起こしたら退学だし…俺が我慢していれば問題ないって一人で思ってて」
原井達は知っていた
蓮が俺をどういう風に思っていたのか
俺が蓮にいじめられてることを伝えていなかった事も
「お前はいつもそうだ、何でも自分だけでなんとかしようとする。そんなお前が心配だった、いつか居なくなっちゃうんじゃないかって…でも良かった無事で」
蓮が愛おしそうに俺の頬に触れる
「俺のこと…好きなの?」
彼の目を見て問う
「ああ…」
何故だか、嫌な気はしなかった
そのまま彼の唇が重なる
原井に触られた場所に、消毒をするかのように一つ一つ蓮はキスを落とす
「…んっ…」
優しく触れていく
まるで壊れ物に触れるかのように
初めて芽生えた感情、友とは違う別の感覚
そんな不思議な感覚に溺れながら、蓮に身を任せるのだった
〜続く〜
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 10