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髙月先輩にしおりをはさみました!
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髙月先輩
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「髙月先輩…おはようございます……」
欠伸をしながらマンションの外階段を降りると、髙月先輩がブロックに腰を預けるようにして待っていた。
俺はかなりけだるそうに欠伸をしていたらしく、髙月先輩はクスリと笑った後、その大きな手で頭を撫でてくれた。心地良くて、つい笑みを浮かべてしまう。
「はい、おはよう。今日も瑞樹は眠そうだね?」
「いくら寝ても、朝は弱くて…。と言うか、毎日送り迎えしなくていいですよ…大袈裟です」
「この辺りに住んでる奴が居ないから、一緒に学校行くやつが居ないんだよ。毎朝少しだけでいいからさ、俺に付き合って?」
髙月先輩はあの日の朝から毎朝送り迎えをしてくれている。
俺はかなり無防備らしく、世話好きな髙月先輩から放って貰えずに、こうして毎朝送り迎えをして貰っていた。
毎回こんな風に言うものの、いつも俺の出る少し前の時間にはこうして家の前で待っててくれている。
最初は目を合わせるのも少し怖かったけど、今は髙月先輩を覗き見た時に柔らかく微笑み掛けてくれる優しい顔が、すっかりお気に入りになってしまった。
いつの間にか、何回も微笑み掛けてくれる髙月先輩の事を怖いとは思わなくなった。
少しだけ、甘えてもいいのかな。
とか思ってしまう。
髙月先輩に送り迎えをして貰って2週間、宮城先輩とは話をするどころか、会う事すら無かった。
校舎も学年も違うし、部活や委員会も何一つ共通点が無いから当たり前かもしれない。
会いたい気持ちはあった。
けれど会ってしまったら、また前みたいに流されるような気がして、
俺は宮城先輩にとっての遊びの枠にはめられてしまうような気がして、
ずっと会うのを避けているのも事実だった。
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