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零れた言葉にしおりをはさみました!
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零れた言葉
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「来夏……僕、…」
掠れた声が漏れる。
来夏が静かにこちらを向くと、優しげな表情でこちらを見ている。
何を言うわけでもなく、来夏と瞳を重ねる。
「……僕、最低なこと、した…」
来夏は泣いている涼真の頭を胸に抱き込むと、ゆっくりでいい、と囁いた。
ーーその言葉を合図のようにして、一部始終を口走る。
この間、いきなり和哉に告白されたこと。無理矢理キスをされ、犯されたこと。でも、何故か嫌な気持ちがしなかったこと。和哉が学校に行ったあと、和哉の家に知らない男が来て連れ去られ怖いことをされたこと。そして、僕を助けにきた和哉が『小瀬』と名乗る男に今も監禁されているということ。
来夏は涼真の話を聞きながら、途中泣き出しそうな顔をした。
それもそうだろう。己の恋人が、自分が抱くより前に幼馴染に抱かれ、その上そのせいで名前も知らない男にレイプされたのだから。
ふざけるなと声を荒げて怒鳴り散らすかもしれない。これで終わりだと、この関係に終止符を打たれるかもしれない。
ーーだが、僕には何も言う権利はない。
和哉に流されたと言えど、全くの被害者というわけではないからだ。
和哉に抱かれて、キスをされて、もっとしてほしい、もっと体を繋げていたいって思ってしまった自分がいたことも事実なのだ。
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