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受身にしおりをはさみました!
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受身
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「俺ちょっとトイレ行ってくるから先言っといて」
更衣室で仮装から着替えた後、再びクラスの待機場所へ向かっている途中、そう三人に声をかける。
三人に先に行ってもらい、待機場所からすこし離れたトイレに向かうとそこには見知った顔の先客がいた。
「よぉ裕哉。かぁわいい格好だったな」
「…煩えよケイト」
揶揄うようにそういってきたのは学校指定のジャージですら似合わない生徒会長様だった。
「お前足早いんだな。驚いた」
「まぁね。昔から足は早いんだ」
幼い頃から一年下に水樹がいたから。
少しでも良いところを見せようとしていた。
振り返るとつくづく俺の要素は水樹で成り立っているのではないかと思ってしまう。
「それはそうと…俺様に負ける心構えは出来てるのか？」
負ける心構え、即ち会長に座する心構え。
「負ける心構えなんて必要ねえよ」
「ふは、自信満々ってか？慢心は身を滅ぼすぜ」
「煩えよ」
「それにしても良かったなぁ…あの走る度に見えるお前の白い太もも…」
「っ！！せ、精神責めからするつもりか…」
「まさに眼福ってか？…触りたくて仕方なかった…」
そう言って、体操着の上から太腿を軽く撫でられる。
「やーめろ！！何処のセクハラじじいだよてめえは！！」
「俺準備諸々で疲れてるんだから、少し充電。」
それにしてもいくら綺麗で広いトイレだからといって凭れかかるようにして下半身を触られるというのは如何なものか。
一番気に入らないのは俺が受身の態勢と言うところなのだが。
「もう、はーなーれーろ！！！」
無理やり引っぺがすが、ケイトは未だ顔を緩ませていた。
「良いじゃねえか、減るもんじゃねえし」
「出たよセクハラの常套句。信じられない不潔〜」
「なんだと？そんなこと言うのはこの小さくて可愛い口か？そんなに塞いで欲しいなら早く言えば良い…」
なんでこいつ変にノリノリなんだよ…
「顎持つな！！壁ドンするな！暑苦しいんだよおま…」
「楽しそうなことしてますね、裕哉先輩」
この呼び方にこの声…
嫌な予感に横を向くと、想像通りそこに立っていたのは普段より小憎たらしい顔をしている浩斗だった。
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