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五時限目にしおりをはさみました!
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五時限目
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こういう時に限って誰かに仕組まれたように授業が櫻井のクラスだったりする。
古典文法ってどちらかというと内容を味わうより、理屈と知識で攻略するものだから、嫌いなわけじゃないけど、個人的には面白味はないと思う。
「まぁ、中学で口語文法が頭に入ってれば気負うほどのことでもありませんからね」
自分で言いながら、気休めにもならない気休めだと思う。
まず、覚えるだけの文法は中学でも苦手意識の高い生徒が多い。
センスの良い子だと、カンで正解して理屈を理解しないまま文語文法になって初めて全くできない、なんて生徒もいる。
だから、初めはちょっと丁寧に口語文法からやるべきなんだけど。
「授業ではすぐ文語文法に入っていかなきゃならないから、休み時間とか、余裕のある時間に聞きに来てくれれば中学の復習も兼ねて教えますよ」
そこから授業やってると、指導範囲終わらないんだよな。進学校って。
そもそもみんな頭に入った状態で入学してくんのか。
進学校って。
思考と別ににこやかに説明していたら、すっと手が上がる。
すっと伸びた姿勢でまっすぐに見つめてくる目があった。
「なに?櫻井」
まあ、お前だよな。
とは思っても口にも顔にも出さない。
「他にも判らないことがあったら教えてもらえますか」
挑むような目が朔良を見ていた。
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