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2日目 5にしおりをはさみました!
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2日目 5
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「な、んで…お前が…」
「なんでって…帰り道だし?りっちゃんこそどうしたの?早く帰ったと思ってたけど…」
陽介の目線がナツを捉える
ゾクリとした視線に俺たちは身震いをする
「…りっちゃん…」
そうナツが呟き、あの頃と同じように俺のシャツを掴んで隠れる
小さな声だったのに、陽介は気付いたらしくピクリと眉が動いたのに気付いた
「………」
「あ、あのっ、い、妹だよ!ゲーセン行きたいっていうから一緒に、遊んでた…だけで…」
「ふぅん…」
なんで俺はこんなこと言ってるんだろう
彼女なんていたことないけど、浮気がバレた彼氏みたいだと背中から冷や汗をかきながら陽介を見た
じっと見られることに慣れていないから、不意に目線を逸らしてしまうが
「……じゃあ今度俺とも遊んでよ!」
先ほどまでとの空気とは一変してニコリと俺に微笑みかける
「…え」
「あれ、駄目だった?」
「い、や…そうじゃないけど…」
本当⁈と目を輝かせる陽介に俺もナツも驚きを隠せない
先ほどの人とは別人に見えて仕方がない
当の本人は気にすることなく『ゲーセンとか久々〜というか町自体変わってるっぽくて案内して欲しかったんだよねー』と嬉しそうにしている
「…いや、俺なんかじゃなく女子とかにしたらいいじゃんかよ…」
「りっちゃんの方がうるさくなくていいのー!」
それ、女子聞いたら泣くぞ本当
「……えと…りっちゃん、誰?」
「あぁ…ごめん、転校してきた穂積陽介」
ナツが後ろから小さく引っ張る
少し眉を下げ、俺に縋るように小さな声で聞いてくる
「こんにちはー、穂積ですー」
「こ、んにちは…」
「あ、こら!隠れるなって!ごめんな、こいつ人見知りでさ」
「んーん、大丈夫だよ」
陽介がニッコリと笑いながらナツに話しかけるが、当のナツは挨拶してすぐ隠れてしまう
本当は人見知りなんかじゃないんだが、いつもの癖で嘘をついてしまう
そこでたわいもない会話をして俺たちは別れた
「私、あんまり好きじゃない」
帰り道、唐突にナツがそう言った
「…悪い奴ではないとは思うけどな」
俺は肯定も否定もしなかった
人は10年あれば性格すらも変えられる、そう自身で分かっているから
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