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3日目 4.5にしおりをはさみました!
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3日目 4.5
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side.水瀬先生
「…ったく…」
転校生が現れたと思いきや、こんな患者を置いていきやがった
意識を失った…えーっと、玖条律、だっけか
そいつをもう一度ベッドに寝かせる
熱のせいで苦しそうに表情を歪めるが、何より迎えを頼むって俺が言った時の顔が問題だった
冷えピタをおでこに貼り、玖条の健康診断表を探す
玖条…玖条…っと、あった
ペラリと捲ると
「………なんだこれ」
自分の情報以外真っ白
家族もなし、家の連絡先も住所もなし
よくこれで通ったなって思うほどだった
「……事情持ちか….?」
どうせ寝込んでいるんだ、担任に報告ついでにこいつのことを少し聞き出そう
そう思ってぱたりとそれを閉じた
ーーーーーーーーーー
「は、玖条が?」
「はい、家に連絡して帰そうとしたのですが…」
「いや、あいつはなぁ…」
休み時間になっても起きないから保健室に置いてきて担任と話す
丁度次は授業がないらしく、少し顔を見ていくというので歩きながら話すことにした
「何かあるんですか?連絡しようと言った時も嫌そうな顔をしたので…」
「……あんまり言いたくはないんだとよ…」
はぁとため息を吐く先生
事情が事情なだけに先生だけに話しているとかそういうのなのだろうか?
「…あいつ、俺ら担任にも話してくれねぇから無理矢理聞き出したんだよ
保険医ってことは健康診断表、見ただろ?あれを持ってこられて「はいそうですか」と流せねぇからなぁ」
「え、無理矢理…ですか?それはちょっと…」
これに関してはドン引きした
先生が生徒相手になんて事してんだよ…
「まぁ、交換条件突きつけられて仕方なく飲んだ感じだけどな」
「交換条件?」
「一つ!音楽室の自由許可!一つ!宮本夏生の授業免除!一つ!家族構成、その他に関する俺が今から話す情報の徹底管理!だとよ」
驚いた
高校一年生が先生に向かって条件を出すほど自分のことを聞かれたくないのかと思った
あと、『ミヤモトナツキ』という生徒に関することなのだろうとも思った
兄妹ではなさそうだが…なんの関係があるのか…
「じゃあ、聞かないでおきます」
それでは仕方がないと潔く身を引くが、相手は何言ってんだ?って顔で見つめる
「保険医なのに生徒の情報知らないでどうする
玖条が起きたら聞いてみろ、駄目だと言われたら俺を呼んでくれ
これから相当世話になるだろうから話しておきたい」
保健室に入り、玖条律の顔を少し見たら一言二言話して帰って行った
相当な事情を持つ玖条律と、条件内に入っていた『ミヤモトナツキ』という生徒との関係…色々聞きたいことはありそうだな…
そこから2時間ほど経つと熱も引いて行った
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