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3日目 5にしおりをはさみました!
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3日目 5
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「……きて、起きて」
誰かに呼ばれる。懐かしい、嫌な記憶と共に。
『「にいちゃん」』
その言葉は夢であろうと現実であろうと俺を飛び起きさせた
「おはよう、大丈夫?」
「え、あ、あぁ…」
起きれば右側にはナツ、左側には俺の左手を握った陽介がいた
ナツは『さっきまでは起きてたんだけどね』と苦笑いを浮かべる
陽介は俺の手をぎゅっと掴み、椅子に座りながら器用に寝ていた
「じゃあ私はこれで」
「え、もう、帰るのか?」
立ち上がるナツを見る
何言ってるの?といった表情でこっちを見るナツに首を傾げた
「用事あるって言ってたでしょ?もう時間だからいくよ。帰りは陽介さんと一緒に帰ってきてね、じゃ」
「あ、うん…頑張れ」
ひらりと片手を上げ去っていくナツを見送ると隣で寝ているやつの頭に手を乗せる
「…にいちゃん、か…」
アイツしか呼ばない俺の敬称
ここ数年は見ていないが、そろそろなのだろうか…
「………俺は良いにいちゃんじゃないよ」
静かに涙を流しながら目を閉じた
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