アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
占い師編(5)にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
占い師編(5)
-
3日目・昼
夢占いの結果、ユキナリはノンケと出た。腐男子の可能性もあるけど、ひとまず安心だ。
性格は悪そうだけど、話の進行役だったからな…。
「シン!おはよう。無事でよかったよ」
集合場所に向かう途中で、ヤスと合流した。
「ああ。ヤスも無事でよかった」
「ボディーガードが働いて、全員無事ってことになってればいいけど…」
「そうだな。人数は限られてるからなあ」
その後もとりとめもない話をしながら集合場所に近づいた時、人が固まっていて、なにやら不穏な空気が流れているような感じがした。
「おい、ヤス…」
「ああ。早く行こう」
走って駆けつけると、リオが気付いて振り返った。
「あ、シンくんにヤスくん。そ、その、コウタくんが……」
皆の視線の先には変わり果てたコウタの姿があった。
「はあっ、あああっ……や、やらっ。見ないで…っ、き、気持ちいいいい…」
コウタは尻にローターを入れられた状態で、縛りつけられ全裸で地面に転がっていた。
「コウタ…!」
俺が思わず呼びかけると、コウタは苦しそうに喘ぎながら俺を見つめた。
「お、お願い。チンコ触って。イカせて、イカせて…」
「う…」
どうしたらいいかわからず立ち尽くしていると、管理人の声が聞こえてきた。
「おい!またやられたのか?!」
管理人は急いでコウタに駆け寄り、縛っていた縄を解き、ローターを抜いた。
するとコウタは前をしごきだしたので、管理人は慌てて大きなタオルをコウタにかぶせた。
「俺、初めて知ったよ。尻の穴って、こんなに気持ちいいんだな。恥ずかしいのって、こんなに気持ちいいんだな」
「変態発言はやめろ!追放だ、追放!」
「変態なんて言われたら、お尻がうずいちゃう」
「黙って歩け!」
そして管理人はコウタを船の方まで連れて行った。
再び管理人が戻ってきたときも、俺たちは無言のままだった。それほど衝撃的だったのだ。一歩間違えたら、自分もああなっていたのかもしれない。いやでも、自分だけは大丈夫。きっと、大丈夫…。
そんな空気の中、3日目の話し合いは始まった。
<話し合いスタート>
残り人数 8人
シン
ヤス
ヤマト
リオ
タカシ
ユキナリ
トモヤ
アツシ
×オカ
×カズシゲ
×コウタ
管理人「コウタのことは残念だが、話し合いを始めてもらおうか」
ユキナリ「…じゃあ、昨日の続きから始めるぞ。昨日はヤマトとシンの2人が占い師を名乗っていた。それで、ヤマトがゲイだと言っていたカズシゲを追放して、スパイが昨日の結果をどう言うかでどちらが本物の占い師かを判断するんだったな。とりあえず…スパイに名乗り出てもらおうか」
タカシ「スパイは、俺だ。…で、どうするんだっけ?」
ユキナリ「お前…昨日も全然話聞いてなかったよな。ゲイを見つける気はあるのか?」
タカシ「いやー、ごめんごめん。ちょっと考え事してるとすぐ話が進んじゃうからさ」
ヤス「ごめんな、どんどん話進めちゃって。タカシには、昨日追放したカズシゲが、本当にゲイだったのかを聞きたいんだ」
タカシ「なるほどな。カズシゲは、ゲイだったぞ」
シン「…え?!」
タカシが何を言ってるのか理解できない。
シン「ど、どういうことだ?」
ヤマト「僕が本物の占い師で、君は偽物だったということだな!」
シン「い、いや、俺は本物だ」
トモヤ「シンさん…本物だと言うには何か証拠がいるんと違います?今のところ圧倒的不利ですしねぇ」
シン「証拠って言われても…」
思わずヤスを見たが、困ったように笑いかけられてしまった。
ヤス「シン…何か反論はあるのか?このままだと、シンが偽物ってことになっちゃうけど…」
よく考えろ。
カズシゲがゲイだったという可能性はとても低い。
ヤマトは偽物の占い師、ということはゲイ側の人間だ。身内にゲイと出すことはよほどないだろう。
もちろん、ヤマトがテキトーにカズシゲをゲイだと言って、それがたまたま本当にゲイだった可能性もあるけど、昨日カズシゲを積極的に擁護する人が誰一人いなかったことを考えると、その可能性はとても低い。
ということは、タカシは嘘を言っている。
このタイミングで嘘を言うのは…
シン「タカシは、ゲイ側の人間だ…」
タカシ「え?俺は女の子大好きだぞ」
シン「俺は、本物の占い師だ。偽物の味方をしているタカシは、偽物のスパイだ」
ユキナリ「だが、本物のスパイを名乗る人物は現れていないぞ」
シン「それはそうだけど…」
リオ「あ、あの…こういう可能性もあるんじゃないかな?」
リオの小さめな声が聞こえた。
リオ「シンくんが本物の占い師だったとすると、ヤマトくんもタカシくんも偽物になる。そうしたら、もう一人いるはずの本物のスパイは、もうここにはいないコウタくんかカズシゲくんかオカくんっていうことに、なるんじゃないかな…シンくんが本物だった場合、だけど…」
シン「そ、そうだ!リオ、それだ!ありがとう!」
タカシ「えー、ひどいなあ。俺は嘘つかないよ」
ヤマト「無論、僕も嘘などつかない」
シン「そんなこと言うなら俺だってつ〜かない」
ヤス「まあ、ここで言い争っても埒があかないし、話し合いを進めようか」
ユキナリ「そうだな。じゃあ、シンとヤマトは占い結果を発表してくれ」
ヤマト「うむ!昨日はリオを占ったが、ノンケであった!」
その時、わずかにリオの顔付きが変わったように見えた。
ノンケと言われてほっとしたのだろうか。
シン「俺はユキナリを占って、ノンケだった」
ユキナリ「ほう…まあ、俺はノンケだが…偶然ということもあるしな」
ユキナリもヤマト側に傾いているのかな…。ユキナリには味方でいてほしい。
ヤス「それじゃあとりあえず、リオとユキナリは追放しないことにしようか」
リオ「ここはもう、2人の占い師のどちらかを追放したほうがいいんじゃないかな?特に…怪しいほうを」
リオが俺を見ながら話し始めた。
今までどちらかといえば中立の立場だったリオが突然俺を疑いだした気がする。
やっぱりノンケだと言われると信じてしまうのだろうか?
ヤマト「うむ、そうだな。怪しいほうを」
タカシ「怪しいほうを」
シン「おいおい!俺が怪しくない可能性もある!ほら、今朝のコウタ見ただろ?コウタは昨日俺がノンケだと言ったやつだ。もし俺がゲイ側の人間だったら、普通自分の味方をノンケだと言うはずだ」
ヤス「それはちょっと単純すぎるんじゃないか?あ、いや、シンのことは信じたいけど…」
シン「信じたいって…もう疑ってるんじゃないか!」
トモヤ「そりゃあそうですよ。今のところヤマトさんが本物ってことを裏付ける情報しかありません」
シン「でも、俺が偽物っていう証拠もないだろ!」
リオ「ヤマトくんが本物だったら、シンくんは偽物ってことに、なるよ」
シン「俺は本物なんだもん!」
だめだ。みんなして俺を偽物扱いしてきて、ろくに反論ができない。
俺はこのまま、ここで追放されてしまうのか?そんな、そんなの…
ユキナリ「おい、お前らちょっと静まれ」
ユキナリが冷静な声で言った。
ユキナリ「たしかにシンは怪しい。だが、シンの言う通りヤマトもタカシも偽物、という可能性がないわけじゃない。カズシゲはまあないと思うが、オカやコウタが本物のスパイだった可能性も残っている。だから、ここで占い師を1人減らしてしまうのは、まだ早いんじゃないか?」
ヤス「それじゃ、ユキナリは誰を追放したらいいと思うんだ?」
ユキナリ「この中で、全然しゃべってないやつがいるのに気づいているか?」
全然しゃべってないやつ…
全員が同じ人を見た。
ユキナリ「アツシ、お前だよ」
アツシ「…すまん。何を話したらいいかわからなかったのだ」
ユキナリ「話したくても話せないんじゃないか?…ボロが出そうで」
アツシ「なんだと…?」
ユキナリ「ヤマトとタカシが偽物だったとしても、シンが偽物だったとしても、まだ仲間がいるはずだ。そいつはきっと、うっかり目立って追放されることにならないように、なるべく存在感を消してるんじゃないか?」
…そうだろうか?
アツシがゲイ?
たしかに、ゲイかどうかを判断する材料すらアツシは出していない。
ただ全然しゃべらないというだけで追放することになってしまうけど、まあ自分が追放されるよりはいいかな。
…もしアツシがノンケだったとしても、この先残ってて何か役立ちそうにはないしな。
すまない、アツシ!
アツシ「そ、そんな。俺はだめだ。俺はその、ちょっと口下手なだけで…」
しかし他に良い案は出ず、アツシは急転直下で追放されることになってしまった。
<結果>
アツシ 7票
ヤマト 1票(アツシによる)
アツシよ、さようなら。
アツシの追放を無駄にせず、俺は明日信じてもらえるように頑張るよ…。
もちろん、アツシがゲイならしてやったりだ…。
「な、なあ、シン…」
俺が一人でコテージまで帰ろうとしていたら、ヤスに遠慮がちに呼びかけられた。
「なんだ?ヤス」
「さっきはごめんな、シンを疑うようなこと言っちゃって。俺はなるべく、公平な立場で見ていたいと思ってるんだけど…」
ヤスはうつむいて申し訳なさそうにしている。こいつ、本当にいいやつだな…。
「いいよ別に。たしかに、今の状況では俺を疑うのも無理ないよ。…でも、ヤスだけは、なんとなく信じてくれる気がしてたんだけどな」
「ごめん…。それだけ真剣に考えてるってことなんだ。もちろん、心情としては、シンを信じたい」
「ああ、ありがとう。それだけでも嬉しいよ」
ヤスに心の底から信じてもらうためにも、今日の夜は重要だ。
何か、俺が信じてもらえるような占い結果を出さないと。
焦る気持ちを抱えながらも、俺はゆっくりとコテージへ帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 151