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人狼編⑴にしおりをはさみました!
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人狼編⑴
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4年後・昼
あれから4年が経ったある日のこと。俺は巨大なビルの上層階の会議室にいた。
きっかけは、1通の手紙である。
差出人は透。4年前、島にゲイを派遣していた人だ。
「儲かる話がある。ヤスくんにも会えるからぜひ来てくれ。住所は…」
島から追放されて以来全く会っていなかったヤスに会えるということには全く心動かされず、俺は純粋に金儲けがしたくて、ここに来ている。
会えなくたってかまわないくらいだ。あいつはただの、強姦魔だ。
そんなことを考えていた時、突然、背後のドアが開いた。
まさかヤス…!
「ごめんね!ヤスくんではありません!覚えてるかな?僕は透だよ。待たせて悪かったね」
「あ…はい」
4年前と全く変わらない姿の透が入ってきた。この人一体何歳なんだろう。
「今日は君に提案があってね!4年前にやったあのゲーム、面白かったからもう1回やりたいなーって思って。シンくん、ゲイ側として参加しない?」
「…俺はゲイじゃない」
俺はゲイになったのか?
島から出た後、何度も自分に問いかけていた。真偽を確かめようと、女性を抱こうとしたこともある。でも、無理だった。
反応しなかったわけじゃない。結果を知るのが怖くなって、確かめることすらできなかったのだ。
だから、まだ俺はゲイだと確定したわけじゃない。
「まあまあ、そんな細かいことはいいからさ。お金ならたっぷり出すよ」
「やります」
「さっすがシンくん。うちの息子も、シンくんみたいに自分の軸を持っている子に育つといいな」
「息子ってまさか…」
「村木くんとのね!あの後案外あっさり石が見つかってさ。村木くん、すぐに出産したんだよ。笑っちゃうよね」
透は笑っているが、俺は全く笑えない。
村木が出産…想像したくない。
「まあ…おめでとうございます」
「心のこもってない祝福ありがとう!鴨って名付けたんだ。まだ3歳なんだけど、僕に似て異様に頭が良くてね」
「変わった名前ですね」
最近流行りのキラキラネームってやつだろうか。いや、あっさり読めるから違うのか?
「でしょ。昔の友達から借りたの。これ、村木くんには内緒ね」
「はあ」
どうでもいい。
「ま、それは置いといて、ゲームの話ね。前の管理人さんにはすっかり嫌われちゃって、もう島には入るなーって言われちゃってね。だからって違う場所でやるのも癪に触るから、シンくんを襲ってる映像をネタにしてユキナリくんを脅して、あの島を高額で買い取ってもらっちゃいました」
「俺の映像を勝手に使うな」
「まあまあまあ。だから、前回と同じ島で、石の話は抜きにして、純粋にゲームを行うことにしたんだよ。僕と村木くんと洋子ちゃんの対決だね。僕側からは、シンくんと、もう1人のゲイと、腐男子を出場させる予定だよ。勝ったらさらにお金あげるから。ね、やる気出たでしょ」
「出た出た出た」
「あー、君って単純で便利。じゃあ隣の部屋にもう一人のゲイの人がいるから、顔合わせだけしといてね。前回と同じく、腐男子が誰かは秘密だよ」
「はいわかったー」
とんとん拍子に話が進んだ。
占い師編と同じことを今度はゲイ側になってやるってことだろ?
楽勝だ。
伝説の石とかわけわかんない話がないぶん簡単そうに思える。
さて、もう1人のゲイはどんな人だろう?
俺は隣の部屋に入ろうとした。
のだが…。
「はぁっ…もう、だめっ、出ちゃう…!」
「いいよ、ほら。君の恥ずかしい姿をもっと見せて」
「あっ、あああっ!」
………。
「どうしたの?シンくん…って、あ!何やってるの、ヤスくん。全く君はすぐ男を連れ込んで」
そこにいたのは、知らない人と情事の真っ最中のヤスだった。
扉が開いたのに気づいたのか、ヤスがこっちを見た。
「あれ?シンか。久しぶりだな。会いたかったよ」
「……」
知らない人の尻にペニスを突っ込んだまま、ヤスは爽やかな笑顔で話しかけてくる。
「…透さん、帰ります。話はちゃんとお受けするので。はいさようなら」
「あー…ごめんね、シンくん。ヤスくんああ見えてヤリチンで」
「いえ、全然気にしてません」
「シン、帰っちゃうの?この後ごはんでも行かない?」
俺は足早に去った。
途中で涙が出てきたのは、花粉症のせいだ。
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