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ワンナイト人狼編(3)にしおりをはさみました!
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ワンナイト人狼編(3)
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1日目・昼
アランに連絡する間もなく、私は大きなビルに連れ去られた。ちなみにスマートフォンは入り口で没取されてしまった。アランが心配していないといいが…。
ビルの一室に入ると、そこには見覚えのある人が3人、知らない人が3人いた。
ナオキ、コタロウ、ミズキはわかる。私も含め、前回のゲームの際、ゲイに襲われた人物だ。後の3人は一体…？
「待たせたね。これで全員集まったかな」
「あ…」
村木が部屋に入ってきた。その後ろには、透と鴨もいる。
「ごめんな、強引に連れてきちゃって。まずは自己紹介から…といきたいところだけど、ちょっと時間がないからこっちから紹介するよ」
そう言って村木は、私、ナオキ、コタロウ、ミズキと、後の知らない3人とにわかれさせた。
「向かって右側にいるのが、第1回人狼ゲーム参加者の、オカ、コウタ、ユキナリ。左側にいるのが、第2回人狼ゲーム参加者の、エドガー、ナオキ、コタロウ、ミズキ。そして君たちは全員、ゲーム中に襲われてしまった人たちだ」
「残念だね！誠に遺憾！襲われたのにもかかわらず、男に目覚めなかった人もいる。本当にもったいないよ！」
透がペラペラとしゃべりはじめた。
「この中には、男に目覚めなかったノンケが4人、男も女もいけるようになったバイが1人、男の魅力に気づいたゲイが2人いるよ。僕は是非とも全員が男に目覚めてほしい」
勝手なことを。迷惑千万。
「だからもう一度、ゲームをやろう。ルールは簡単。ノンケはゲイを1人でも追放できれば勝ち。ゲイは全員追放されなければ勝ち。ほら、やりたくなってきた？」
ならない。全くならない。
「これから君たちは、このビルのそれぞれの部屋で一晩過ごしてもらう。そして明日の昼、話し合いをして、追放したい人に投票する。そこで2票以上得票した人は追放される。こういう流れだ。つまり、明日の昼には決着がつく。わかった？」
前回と少し違うようだ。…まあ、なんでもいいが。
「ところで、透。ここで残念なお知らせがある」
村木が口を挟んだ。
「え、なに？」
「実は5部屋しか借りられなかった」
「えー！しっかりしてよ、村木くん」
「急に用意しろって言われたらなあ、難しいぞ。なんで今回は島を使わないんだ？」
「たった2日のために島まで行くの面倒くさいもん。仕方ない。じゃあここで2人帰ってもらおうかな」
なんだと！
ここで帰れるなら非常にありがたい。
私は思わず顔を上げた。すると透と目が合い、くすっと笑われた。
「そうだなあ、じゃあオカくんとコタロウくんには帰ってもらおうか」
そう言って透はにやにやしながら私を見る。
なんて性格が悪いのだ。
オカとコタロウは嬉しそうに帰っていく。私と同様無理矢理連れてこられたのだろう。
「えーと…じゃあ、ルールの続きを説明するね。さっきノンケ4人って言ったけど、そのうち1人は占い師ということにします。占い師は夜に、ここに残っている人のうちの1人か、今帰った2人両方について、その正体を占うことができます。さらに、ゲイは夜にもう1人のゲイが誰かを確認することができます。もちろん、今帰った2人の中にゲイがいるっていう可能性もあるから、その時は1人で頑張ることになるね」
「今帰った2人ともゲイって可能性もあるんじゃないか？それならもうゲームは終わりに…」
私は良いことに気づいた。自分を褒めたい。
「それはもったいないよ！ゲイがいないと判断した場合は、昼に全員が違う人に投票するってことで」
…上手くはいかないか。
「ノンケとゲイの他にバイが1人いたよね。バイは占い師とゲイが活動した後に、活動することができます。ただし、バイには選択肢があります。活動しないと決めた場合は、ノンケチームとして動くことになります。活動すると決めた場合は、この中の1人と役職を交換できます」
役職を交換…？
「ノンケとして振舞うのか、ゲイとして振舞うのか、選べるってことだよ！ノンケの人と交換した場合はノンケ、ゲイの人と交換した場合はゲイになる。交換ってことは、交換されたゲイの人は知らないうちにノンケチームの一員になっちゃってるっていうこと。わかるかな？」
皆うなずいている。
まあ、やっていくうちにわかるだろう。
「最後に、ゲームが終わった後の話をしようかな。勝った場合、こちらの村木くんから賞金が支払われるよ！」
「人数の関係上、ゲイに勝ってほしい」
「負けた場合は、その時のお楽しみかな」
透はわくわくしているように見える。
…負けたらどうなるのか、想像したくない。
「それじゃ、今日はここで解散！自分の部屋にいてね！占い師の人は、行けばわかるよ！」
久しぶりに会ったものの、ナオキもミズキもほとんど話したことがなかったため、特に再会を喜ぶこともなくお開きとなった。
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