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人狼vs狩人編(2)にしおりをはさみました!
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人狼vs狩人編(2)
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side:シン
ヤスとつきあうことになった…と思うけど、あれ以来ヤスは忙しいようで、なかなか会えていなかった。だから今日会うのは、付き合い始めて以降初めてだ。
そんなドキドキの再会を、こんなところで果たすことになるとは…。
「やあ、シン。来てくれてありがとう」
「ああ。大丈夫か?…見るからに大丈夫じゃないよな」
「はは。シンが来てくれたおかげで、心は元気だよ」
「また大げさなこと言って」
ヤスは今、大きな病院に入院している。ここはヤスの病室だ。
先日、ヤスは交通事故に遭い、病院に運ばれたらしい。幸い大事には至らなかったが、数日入院しなければいけないそうだ。
電話で聞いたときは驚いたが、様子を見る限り元気そうで安心した。
「ところで、何か俺に用があるのか?」
「えー…俺は用がないとシンを呼んじゃだめなの?」
「そ、そんなこと!」
顔が真っ赤になってる気がする。ヤスと話していると照れてばかりだ。ヤスは誰にでも言ってるのかもしれないけど…。
「来てくれてありがとう。一人で入院なんて心細いなと思ってたんだ」
できることなら俺も入院したい。でもだめだ、お金がかかる。
「ところで、ちょっとシンに頼みたいことがあるんだけど、いいかな?」
「え?何?」
やっぱり用があって呼んだんじゃないか…?
「実は俺、今日から第4回BL人狼ゲーム大会に出る予定だったんだ」
「…ああ、あのゲーム?そんな名前ついてるの?というか第3回があったのか」
「うん。まあ色々事情があるんだよ。それで、俺は見ての通り、第4回に出ることができない」
「そうだな。厳しいな」
できれば事故ってなくても出てほしくないけど、組織?に入っているとそうもいかないんだろうか。
「でな、透さんには代役を立てろって言われたんだ」
「…うん」
まずいな、この流れ。
「俺としては、シンに代役を頼みたいなーと」
「…はあ」
やっぱりそう来るのか。
まったくもってやりたくないけど、ヤスに正面から頼まれると断りづらい…。
「ヤスは、嫌じゃないのか?」
「ん?なにが?」
「俺が…」
他の人とやることは。
そう聞こうと思ったけど、勇気が足りなかった。
ヤスはなんだかそういった感覚が俺と違うように見えるし、「別に構わない」とか言いそうにも見える。下手すると、「気にならないからシンに頼んだんだ」とか。
そんなこと言われたら立ち直れない。
「いや、なんでもない。俺参加するよ。ヤスの役に立てるならいいよ」
「そう?ありがとう。助かるよ」
…うん。これでいいんだ。
俺が他の人とやったってヤスは何も気にしないし、むしろその方が喜んでくれるのかもしれない。それなら俺は我慢しよう。ヤスが喜ぶことをたくさんして、一番好きな人になれるようにしよう。
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