アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
3人人狼編(11)にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
3人人狼編(11)
-
3日目・夜
残り人数 11人
シン
ヤス
ショウヤ
ナツキ
ソウタ
ミコト
マサジ
アキラ
ナルミ
ゴロウ
カエデ
×ヨウ
×ハヤト
×アラン
「ヤス、大変だ。ショウヤがなぜか俺がゲイであることを知ってて…あれ?ヤス?」
部屋に入るなり手紙のことを伝えようとしたが、いつも元気なヤスが寝転がってぼーっとしていた。
「あ…シン。それは大変だな」
これみよがしにため息までついている。
「ヤス、どうかしたのか?アランに裏切られたの、そんなにショックか?」
どうして俺がこんなこと言わなきゃいけないんだろう。浮気相手にフラれた彼氏を慰めるようなこと…。
しかし、ヤスは意外なことを口にした。
「アランもまあショックだけど…仕方ないよ。俺はそれよりも、あんなに大勢の人の前でゲイなのをバラされたのがショックで」
「…え?ヤスもそんなこと気にするのか?てっきりオープンなのかと…」
「隠してるわけじゃないけど、あの状況、昔のトラウマを思い出させるんだ」
「…トラウマって?」
ヤスにもそんなものあるのか。人の痛みには鈍感なのに。
「聞いてくれるかい?」
ヤスは起き上がって俺の手を握った。
「あれは俺が中学生のころ…幼なじみと生徒会長と理科の先生と部活の後輩とクラスメイトの前田君のお父さんと付き合っていたころのこと…」
「待って既に感情移入できそうにない」
「ひどいな」
「いや5股って…中学生だよな…?」
「話、続けてもいいかい?」
「い、いや…え…?」
色々と衝撃的すぎてついていけない。
「ま、そんな感じで中学生生活を楽しんでいたんだけど、ある日彼女に、他にも付き合ってる人がいることがバレてしまったんだ」
「…彼女?」
「うん。幼なじみの」
「…女もいけるの?」
「まあ、そのころはね。幼なじみ以外は全員男だけど」
今は違うのか。よかった。ただでさえ大勢と付き合ってそうなのに、女の子まで出てきたら嫌になってしまう。
「それで彼女が怒って、他の彼氏とキスしたりしてるところを写真に撮って、俺の目の前で学校中にばらまいたんだ」
「おお…」
「その時のみんなの蔑むような顔が忘れられないんだ。…しかもその後は大変だったよ。彼女の友達からの嫌がらせが始まり、生徒会長は俺を刺そうとしてくるし、先生は学校クビになって会えなくなり、後輩は学校来なくなり、前田君のお父さんは離婚することになって、前田君とその友達からいじめを受け…」
「それは大変だったね」
「ああ。俺がゲイだってばっかりにあんな目に…」
ヤスはしょんぼりしているが、つっこまずにはいられない。
「それさ、ヤスがゲイなのが問題じゃなくて、ヤスが5股したのが悪いだろ?」
「…え?」
「え?じゃなくて…」
きょとんとするヤスに苛立ちがつのる。
「そもそもヤスって、どうしてそんなに浮気するんだ?誰か1人選んで付き合うことって、そんなに難しいのか?」
「難しいな。俺はみんな同じくらい好きだから。1人選ぶなんてできっこないよ」
「みんな同じくらい好き?俺も、アランも、他のたくさんの男も?」
「うん。俺はみんなが大好きだよ。大好きな人とは付き合いたいと思うだろ?だから別れるなんて無理」
「…自分が同じことされたら、傷つかないのか?例えば俺が、他にもいろんな人と付き合ってたら」
「傷つかないよ。シンは俺が好きでしょ?同時に他に何人好きな人がいようが、それは変わらない」
「そんなの…おかしい」
俺は握られたままだった手を振り払った。
「ヤスは人を好きになったことなんてないんだ。全員同じくらい好きなんて、自分が相手の大勢の恋人の中の1人でいいなんて、そんなの好きとは言えないよ」
ヤスはしばらく黙って俺を見ていたが、やがてすこし微笑んで言った。
「それで…ショウヤが知ってたんだっけ?シンがゲイだって」
「は…?」
「じゃあ今晩排除しないとな。シン、行ってきてよ」
「話はまだ…」
「いや、行ってきて。今すぐ、ね?」
ヤスが俺の体をぐいぐい押してくる。
そうして俺は無理矢理部屋から閉め出されてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
78 / 151