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3人人狼編(16)にしおりをはさみました!
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3人人狼編(16)
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5日目・昼
side:シン
ヤスがなかなか帰ってこなかったので、俺は先に寝てしまった。そして目が覚めたときも、ヤスの姿はなかった。
先に行ったんだろうか。それとも、まだ帰ってきてない?朝までカエデと一緒にいた?
考えても仕方ないか…。
なんとなく憂鬱な気持ちで集合場所に向かっていると、ふっと透が現れた。
「やあ!シンくん。元気そうだね」
「は…?」
「2人の男性に想いを寄せられて、モッテモテだね!」
「……」
返事をするのが面倒だ。
だが透は俺が無視するのも気にせず話を進める。
「シンくんはどっちを選ぶのかな?ヤスくんかー、ショウヤくんかー」
「…選ぶも何も。俺はヤスと付き合ってるから」
「ヤスくんって、日本語苦手なんじゃない?」
「え?」
「恋人とセフレの違い、わかってないんだと思うな」
「何が言いたいんだよ」
「別に?ただ、シンくんはヤスくんのセフレなのか恋人なのかどっちなのかな、と思って」
「…俺、そんなにヤスとセックスしてないし」
「んー、そっか!じゃあフレンドだ!フレンド!」
透はケラケラ笑っている。本当に性格が悪い。
「まあね、上手くいかないことがあるなら、ゲームに勝てばいいんだよ。そしたら僕が願いを叶えてあげるからね!」
「はあ…」
「それじゃ、またねー!」
透はすっといなくなった。
集合場所に着くと、ヤスの姿を発見した。特に変わった様子もない。カエデの姿は…見えない。俺は少し安心して、こっそりため息をついた。
そして洋子がいつものように呼びかけ、話し合いが始まった。
<話し合いスタート>
残り人数 7人
シン
ヤス
ナツキ
ソウタ
ミコト
マサジ
ナルミ
×ヨウ
×ハヤト
×アラン
×ショウヤ
×アキラ
×ゴロウ
×カエデ
ミコト「カエデがいなくなった…か」
ミコトはヤスをまっすぐ見つめた。
ミコト「これではっきりしたな。お前は敵だ、ヤス」
ヤス「どうして?」
ミコト「お前ら占い師3人のうち、本物は1人だけ。ゲイに襲われたカエデは確実にノンケだ。お前がカエデを襲ったんだろう」
ヤス「違うよ。俺は本物だ。これはきっと、はめられたな」
ミコト「はめられた…?」
ヤス「カエデはきっと、腐男子だったんだよ。俺を偽物だと思わせるために、ゲイがカエデをわざと襲った。味方が減ってしまうのは惜しいけど、腐男子はノンケとして数えられるから、ゲイにとって悪い話じゃないよね」
ソウタ「そ、そっか!結果的にノンケを2人減らせるってことか」
ヤス「そう。俺が思うに、ゲイはアランとゴロウ、そしてこの場にいる誰か。そして腐男子はカエデだ」
ミコト「昨日カエデが言ってたことはどうなるんだ?自分はシンを占うから、もし今夜自分が襲われたとしたら、シンがゲイだって」
シン「俺はゲイじゃない。…もしかしたら、それも作戦だったんじゃないか?ヤスと俺を疑わしく見せることで、ノンケを2人を追放しようとするための」
マサジ「う〜…そろそろ起きようかな」
緊張した空気の中で、場違いなほどのんびりとした声が響いた。
ナツキ「おお!起きたか!ついに起きたのかー!」
マサジ「うむ!」
ミコト「邪魔するくらいなら寝ててくれよ、永遠に」
マサジ「ううん、参加するよ。さすがに人数へってきたもんね」
ナツキ「今までで一番頼もしいぞ!これなら簡単に勝てるな!」
ミコト「じゃあ、お前らはどう思うんだ、ヤスの主張について」
ナツキ「マサジ!任せた!」
マサジ「…一つききたいんだけど、カエデとヤスって今まで誰を占ってたの?」
ヤス「今まで?俺はソウタとカエデとショウヤだ。ソウタとカエデはゲイではなくて、ショウヤは腐女子だった」
ミコト「カエデは、ナツキとショウヤとアキラだ。ナツキとショウヤはゲイではなくて、アキラは腐女子だと言ってた。それがどうしたんだ?」
マサジ「ヤスの言ってた作戦をゲイがするためには、カエデが腐男子だってことをわかってないといけないよね。カエデかヤスのどっちがほんものの占い師で、どっちが腐男子なのかがわからないと、わざと襲うなんてことできない」
ミコト「ああ。ゲイは腐男子が誰なのか知らされてないしな」
マサジ「じゃあどっちが腐男子なのかはどうやったらわかるのかなって考えると、占いの結果しかないよね」
ナツキ「結果でどうやってわかるんだー?」
マサジ「それはね、ゲイの人が自分のことをゲイじゃないって言われたときか、ゲイじゃない人のことをゲイだって言ったときだよ」
ソウタ「な、なるほど!間違った占いをしてることが確実にわかるわけだな」
マサジ「それをふまえて2人の占いの結果をみてみると、ヤスの言ってる作戦は実行できないことがわかるよ」
ヤス「え?」
マサジ「カエデが占ってゲイじゃないって言ったひとは、ナツキとショウヤだよね。そのふたりがゲイじゃないことは、既に確定してるんだよ。ナツキは知り合いがいるって言ってたし、ショウヤは襲われちゃったから。ショウヤは腐女子だったって可能性もあるけど、どっちにしろゲイじゃないもんね」
ミコト「そうか。カエデが偽物の占い師だという証拠は何もない…」
マサジ「ね。だから俺は、ヤスの主張はまちがってる…と思うな…ふあぁ」
ナツキ「どうしたマサジ!」
マサジ「頭使ったらねむくなってきちゃった」
ナツキ「がんばれ!もう少し!」
ヤス「…占いの結果ではわからないかもしれないけど、その他の部分で偽物だと見抜かれてたのかも。ほら、シンを占うって宣言したのとか。間接的に作戦を伝えようとしていたのかも」
マサジ「よくわかんないな、ヤスの言ってること。間接的に作戦を伝えるってどういうこと?」
ナルミ「カエデが嘘をついてるようには見えなかった。あれが嘘だったらもう俺は誰も信じない死ぬ…」
マサジ「シンがどうこうっていうのは置いといて、とりあえずヤスは追放したほうがいいとおもうな。あやしいよ」
シン「ヤスが本物だったらどうするんだ?それに、腐男子だとしたら」
マサジ「そういう可能性もあるよね。でも、この場で一番あやしいのがヤスっていうのに変わりはないよ。アランの言ってたこともあるし」
ヤス「アランは…どうしてあんな嘘ついたんだか」
マサジ「あ、そうだ。ヤス、今日はどうだったの?」
ヤス「え?」
マサジ「わすれちゃった?占いだよ、占い。ヤスは占い師なんだよね?」
ヤス「…あ、ああ。ミコトを占ったけど、ゲイじゃなかった」
マサジ「どうしてミコトを占ったのか、当ててみようか?」
ヤス「…え?」
マサジ「この場にはヤス以外にもうひとりゲイがいるよね。その人を守るためだよ。グレーゾーンの人の中でも一番あやしくない人をゲイじゃないって言うことで、ゲイの候補をなるべく減らさないようにしてるんだよね」
ミコト「俺はそんなに怪しくないのか?」
マサジ「ミコトは最初の話し合いのとき騒いでたじゃん。俺、あれでちょっと起きちゃってさ」
ナツキ「なんか騒ぎあったっけー?」
マサジ「ほら、自分はゲイだから追放してくれって。ほんとうにゲイならあんなことしないもん」
ヤス「どうしてそんなに俺を追放しようとするんだ?今までずっと寝てたのに」
マサジ「だって、はやく帰ってうちのおふとんでねたいんだもん。だからあやしい人はさっさと追い出して、はやく終わらせよう」
マサジはそれだけ言うとまたうとうとしはじめた。
ナツキ「なあ、そういえば結局シンはどうなるんだ?カエデが襲われたから、ゲイってこと?」
シン「それはたまたまだよ。カエデが本物の占い師なら、襲われやすい存在ではあるし。今襲えば俺も巻き添えにできると思ったんじゃないか?」
ナルミ「マサジの言う通り、ヤスを追放したほうがいい気がしてきた…」
ミコト「そうだな。投票に移るか」
ヤスがこっちを見ているのを感じる。
でも、今俺にはどうすることもできない。ここはヤスを追放する流れだ。変にかばえば疑われてしまう。
ヤス「…そっか。そうだよね。もうちょっと一緒にいたかったけど」
俺の考えていることが伝わったかのように、ヤスがつぶやいた。
洋子「さあ!投票投票ー!」
<結果>
ヤス 6票
ソウタ 1票(ヤス)
「あ!また俺ー!」
ソウタが叫んでいる。
ヤスはこっそり俺に手を振って、去っていった。
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