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最後のありがとうにしおりをはさみました!
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最後のありがとう
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あれから痕をつけることはなかった。
「あっ、あっ、あん、ぅ、っ」
涙が止まらない。
「祐樹、祐樹」
2人の熱で部屋はあっという間に熱くなり、汗がひどい。それに、音もなんかよく聞こえて、煽られる。
でも。
「れい、あん、んっ、」
玲の熱とか、におい、とか。そばにある。
それに、気持ちいいとこしかやらない。
痛くしない。優しい。
…なんでだろうね。
嬉しいのに、哀しいんだ。
「…っ、」
「あぁあっ!んんんぅ、はぁ」
ぐ、と億を刺激されて果てると同時に玲の熱が注がれる。
「はあ、はあっ…ん」
また、深いキス。
玲も、余裕がない。僕がそうしたのだと思うと、満たされる感じがした。
「ん、はぁ、ぅん」
「……」
むく、と玲が起き上がり、タオルで体を拭く。
「れ、ぃ」
声が掠れている。でも、それでも呼んだ。
「…い、れい」
「なに?」
まだ熱の冷めてない目で見てくる。
「…ぎゅ、ってして」
「ああ」
玲に包まれ、首に腕をまわす。
これも、最後かもしれない。
でも今はそれを忘れて、互いを感じ合いたい。
「祐樹、」
いつもはこの後に、愛してる、がつく。
「良いよ、玲。言わなくても」
「ああ」
今の互いの状況で言えるわけがない。
それを理解しあって、強く抱き合う。
「ありがとう」
「こちらこそありがとう」
これが最後でも、君と出会えたことはとても素晴らしかったと言い張りたい。
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