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隣を歩くにしおりをはさみました!
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隣を歩く
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「じゃあ鑑賞プリント後ろから集めてきてー」
チャイムが鳴って、先生の声が飛ぶ。
「次回からスケッチブック持って来てね」
という先生の声をおれは背中で受け止めつつ、誰よりも先に美術室を出て行こうとするやつを追いかける。確か…。
「田上!…くん!」
扉に手をかけたまま、こっちを振り向く。
「なに?」
お礼を言おうと思ったけど、クールすぎて逆に怖い。でも一応、勇気を出してお礼を行っておいた。すると驚いたことに、クスッと笑う声がした。
「え…?」
「あれくらいたいしたことじゃないのに…わざわざお礼言う?呼び止めてまで?びっくりしたわー」
そしてすぐ背を向けて美術室を出て行く彼は砕けた口調でそう言ったけど、どうもクールに見えるのはなんでだ?
いきなりのことにこっちこそびっくりした、と思って出口で立ち止まっていると
「教室戻んないの?邪魔になるよ」
と、再び顔を見せた。ハッとして後ろを振り向くと隣のクラスの女子が困った顔でおれを見ていた。
「あ、ごめん!」
慌てて美術室を出て彼を追いかける。
「田上くんさ…」
「裕也でいい。君付けは気持ち悪いし」
「じゃ、じゃあおれは洸(こう)でいいよ」
あれ?なかなかいい感じじゃん?自然に呼び捨てする流れになって、いい感じに友達になれそう。
「裕也って背高いな。何センチ?」
「うーん、中3のとき178だったけど最近測ってねぇからわからん」
「なんでそんなに伸びるの?おれもそんくらい欲しい」
愚痴ってみると、何センチ?と訊いてきたので中3のとき165だった、と答えると肩を震わせて笑っていた。けど、みんなそんなもんだと思う。裕也が特別高くて、それに裕也がいつもつるんでる3人も高いから裕也の感覚が鈍ってるんだきっと。
そして、話が明後日身体測定とスポーツテストあるなってところで教室に着いて、お互い、いつものグループに入っていった。
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