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Act1 4にしおりをはさみました!
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Act1 4
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最初のうちは俺の“好き”をなかなか信じてくれなかった和哉も、
手を繋ぐたびに、キスをするたびに、信じてくれるようになった。
和哉にパソコンの使い方を教わってから、俺は自分で物事を調べるようになった。
和哉に好きと言われてから、“好き”の意味や、“好き”の後はどうすればいいのかとか、
こっそり調べていた。
好き:
好くこと。気に入って、心がそちらに向かうこと。そういう気持。
好きの反対は嫌い。
和哉は、俺を嫌いじゃないってこと。
じゃあ、好きを伝えたら、人間はどうするんだろう?
「唇を、重ねること…キス、っていうのか」
人間は、手を繋いで、キスをして、
好きな人間の隣にいて、
一緒に寝て…
「……」
でも、調べれば調べるほど、
人間の言う、“恋人”は、女の人間と男の人間同士らしいということが分かった。
どのWebサイトの恋人のイラストも、髪が長い人間と、短い人間が描かれている。
……和哉は、男。
俺も、男。
「……恋人、なれないのかな」
でも、和哉は言っていた。
「…俺と、付き合って」
付き合う、って…何だろう。
カタカタとキーボードを叩く。
「「付き合う」とは、ある人と恋愛関係に基づくパートナーとなることを約束すること(誓うこと)である。」
和哉は、付き合ってって言ってた。
「…“恋愛関係に基づくパートナー”……」
俺は、
和哉のいろんな顔が見たい。
もっと、もっと、
和哉と一緒にいたい。
「…キスの先って、あるのか……?」
もっと知りたい。
どうやったら和哉と“恋人”になれるのか。
どうやったらもっと、俺のこと“好き”になってくれるのか。
「…………」
パソコンとにらめっこしていると、ガチャ、とドアが開いた。
「ただいまーー」
「和哉」
和哉がにこにこしながらバイトから帰ってきた。
「あれ、パソコンしてた?何調べてたの?」
「……和哉」
和哉のふわふわの髪に手を置いて、俺は聞いた。
「恋人って、キスの後はどうする?」
「………は!?」
和哉の顔がみるみる真っ赤になった。
「…和哉?顔、赤い」
「な、なんで、そんなこと聞くの」
「だって…俺と、和哉は付き合ってる、ちがう?」
「いや、違わないけど… 」
「俺、和哉に、もっと、好きになってほしい」
「…シン?」
「和哉、好き」
和哉の顔が近い。
俺はその唇に指先で触れ、キスをした。
「んっ……っ」
和哉が吐息を漏らす。
ーー相手に、触れたくなる
人を好きになったら、触りたくなるって何かに書いてあった。
……確かに。
和哉に、触れたい。
触れたら、どんな顔をするんだろう。
……知りたい。
もっと、
もっと知りたい。
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