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突然の来訪 <Side 琉【ハロの知らない兄弟のコト】にしおりをはさみました!
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突然の来訪 <Side 琉【ハロの知らない兄弟のコト】
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家に入ってきた黒マスクが、ハロの居る地下へと向かっていた。
「待てよ。何しに来やがった」
俺の前を通り過ぎようとする黒マスクの肩を掴んだ。
黒マスクは、立ち止まり、平然とした雰囲気で、俺の前にカードを掲げる。
『8600を引き取りに来ました』
肩を掴む俺の手を引き剥がし、黒マスクは足を進めた。
カードの内容に、俺は眉を潜めた。
黒マスクの後を追い、言葉を放つ。
「引き取りってなんだよ。俺は、Rするつもりなんかないぞ?」
俺の言葉を無視した黒マスクは、そのまま足を進め、地下室の扉を開けた。
『8600を殺される前に、こちらで引き取ります』
黒マスクは、俺の目の前に、カードを翳す。
「殺されるってなんだよ。殺す気なんかねぇよっ」
地下室の中へと瞳を向けた俺。
俺の瞳に映ったのは、まるで死んでいるのではないかと思われるほど、微動だにしないハロの姿。
普通なら呼吸に上下する胸も、目を凝らさないと感じ取れないほどに、薄い。
俺は、黒マスクを弾き飛ばし、ハロに駆け寄った。
俺の尋常じゃない力量に、黒マスクは、壁へと身体をぶつける。
「起きろっ! 起きろ、ハロっ」
俺の声にも、ハロは反応しなかった。
ハロを起こすために、頬を叩こうと上げた俺の手首が、ぐっと掴まれた。
そこに居たのは、弟…、兎羅だった。
「お前かっ!」
キッと睨みつけた視線の先で、兎羅は、困り顔で笑みを浮かべた。
「何したっ!」
立ち上がり、目の前の兎羅の胸元のシャツを掴み上げた。
ぐっと寄せる顔に、兎羅は、深く瞬きをする。
それは、話したくないという兎羅の意志。
答える気のない兎羅に詰め寄ったところで、話は進まない。
俺たちを尻目に、黒マスクは、身体を起こし、ハロに触れた。
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