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あの、えーっと 智也サイドにしおりをはさみました!
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あの、えーっと 智也サイド
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この方は誰だ?
そんな疑問が湧きあがる。
その人は鏡を見ているようで、僕からは横顔が見える。
とても整った顔立ち、とても澄んだ蒼色をした瞳。
何もかもがこの世の物とは思えない。
まるでおとぎ話に出てくる王子様のようだ。
僕なんかが容易に触れていい方ではない。
そんな気持ちにさせるような方だ。
彼は何か考えごとをしているようだ。
考えに耽っている顔ですら美しいと思える。
この方に軽々と話しかけてはいけない。
そう思ってもこの方に話しかけたい。
その美しい瞳で見つめられたい。
そう思ってしまう。
「あの、えーっと」
僕は勇気を振り絞って声を掛けた。
声を掛けた所でふと考える。
この方に自分の言葉が通じるだろうか?
もしも外国から来た方だったら、言葉が分からないのではないか?
本当におとぎ話から出てきた王子様だったら、自分の言葉など耳を傾けていただけないのではないか。
そんなことを考えていても、まるで僕の存在なんて目に入らないみたいにずっと考えに耽っている。
そうこう考えているうちに一つの予想が浮かび上がる。
もしや、この方が僕の同室者ではないのか?
いや、それならどんなに嬉しいことか。
少々の期待を込めて話しかける。
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