アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
癒えない傷 09にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
癒えない傷 09
-
体とか洗ってしまって、光さんに後ろから抱きしめられながら湯船に浸かっていた。
「ふぅ〜いい湯だねえ」
「ひかさん、おっさん臭いよ」
俺と四つしか変わんないのに。
あ、でも俺が誕生日来たから今は三つ。
「僕まだ若いんですけど…」
俺の肩に顎を乗せ、拗ねる光さん。
「もうすぐまた一つ年取るよね」
俺が少し笑いながらそう言うと、「そうだね」と少し声を落として言った。
正直その時、やってしまったなと思った。
光さんはあまり自分の誕生日が好きではないから。
もともと自傷はしても死にたいとは思っていない光さん。
だけど誕生日前後は、バースデーブルーなのか普段より精神的に不安定になるから、気をつけないといけない。
そうなるのは自分では気付いていないようだから、本当に危ないと思う。
去年の誕生日前は普段より少し深く、また、大きな血管に近いところを傷付けていた。
その日、たまたまバイトに間違えて行って不貞腐れて光さんの家に行った時だったから、すぐ手当てができたけど…。
光さんの手をギュッと握る。
「今年もバイト休みにして、ひかさんの誕生日お祝いするね」
大丈夫。俺がいるからね。
「ふふ。ありがとう」
俺が誕生日も笑顔にさせるよ。
浮気されてもそんなこと思うなんて、どれだけ光さんのことが好きなんだよ、俺。
「…なんか今日浸かりすぎた」
「珍しく色葉くんが逆上せたね」
なんとなく、お風呂でずっとくっついていたかったんだ。
ベッドで服も着ないでくっつくのもよかったけど、「そうじゃない」と思った。
だから追い焚きしながら、二人で二時間くらい浸かっていた。
そして、珍しく俺が逆上せて、上がることになった。
「あー、もっとくっついていたかった」
パンツ以外着ずにバタバタとベッドで暴れる俺を、光さんはベッドの下に座り黙って見ていた。
まだ足りない。もっとくっついていたい。
セックスをしたいんじゃない。
ただただ、くっついていたい。
光さんを感じていたいんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
105 / 197