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18歳以上ですか?
滴にしおりをはさみました!
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滴
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夕方。
スマホの着信音で、目が覚めた。
―え。
いつの間に、寝とったんやろ?
「ぁ、せい…?」
寝起きの声が、そのまま出てしもた。
「和泉。今、どこだ?」
普段よりちょっと低い、不機嫌な声。
「ごめんっ!すぐ出るから。」
速攻着替えて、出かけようとした。
「…どこ、行くの?」
音も無く現れた嫁は、やっぱりちょっと怖かった。
「んっ?ああ、ちょっとな。サークルのやつから電話がきてん。近くで呑んでるらしいから、ちょっと顔出してくるわ。」
ゴルフサークルのやつらは、ラウンド後に飲み会をすんのが恒例で
オレは普段、そこまで付き合わんけど、今日は悠真を迎えに行ってドタキャンした後やから、少し位顔出して、皆に謝るんが当たり前…とか
莉緒がどないに考えたんか、そこまでは知らん。
「ふぅん。」
取り敢えずは、怪しまれんと済んだみたいやった。
―そやけど。
静に会うんは、久し振りやし。
―朝までに帰れる、やろか?
歩きながら、そんなことを考えてたせいか、後ろで閉じた筈のドアが、もう1回ソッと開いとったことには、全く気が付いてへんかった。
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