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約束にしおりをはさみました!
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約束
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「ん…」
グイッと入ってきた舌が、ゆっくり上顎をなぞった。
そのまま舌先を軽く吸われて、反応しそうになった。
実はオレ、ベロちゅーは、かなり苦手やってん。
静とするまで、口の中や舌が、こないに気持ちを伝えてくるとか、全然思てへんかった。
ゆっくり、動く舌。深く合わさる唇。
(離したくない)
「んっ」
―離れたくない。
やんわり絡めた舌が、今度は強く吸われた。
「ふっ、…ぁ。」
―好きやで。
離れそうになった唇をもう一度、自分から合わせて、ソッと端を吸った。
ちゅ。
頬を包むように当てられた掌が、優しい。
ピッタリ合わさった体が、きもちええ。
もっと
感じたい…。
手を伸ばして、静のネクタイをほどいた。
―キレイな色やな。
こんなカッチリした格好してきて…。
オレに惚れ直させるつもりやったんか?
シャツのボタンを外そうとした指が、捕まった。
「どうするつもりだ。」
エッチの話かと思ったけど、違うらしい。
下へ伸ばしかけた手をそろっと腰へ廻した。
「えぇと…1年。むこうで、頑張って。その間に、離婚の、準備をする。」
「子供は?いいのか。」
「ええわけ、ないやん。」
そのまま静を見つめたら、また泣きそうやったから、慌ててソッポを向いた。
「…和泉。」
宥めるような声が、胸に沁みた。
「大丈夫や。オレはたまに静と会えたら、それでええ。そや!来年、春になったら花見しよ。」
まるで莉緒みたいな言い種やって思ったけど、コレで静が釣れてくれんねやったら、もう何でもええ。
「…1年後の春だと?そんなに待てるか。」
なんて言いながらも、ちょっと口角が上がっとる。
「ほな、何とか上手いこと、早よう別れられるように。静も一緒に、考えてくれや。シナリオ書くんは、お手のもんやろ?」
「だったら。もっとマメに連絡してこい。」
「…そうやな。御互い、もっと、話さなな。」
オレは、自分の手を捕まえてる静の手の甲にキスをした。
実現するかどうか、わからんけど。
「約束、したからな。」
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