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カルテの整理がやっと終わった
気付けばもう深夜2時
冷めたコーヒーを飲み、パソコンの電源を落とした
窓の外は雪
いつから降り出したのかもわからない
「さて、帰るか」
明かりを消して玄関のドアを開けようとしたらびくともしない
「どういう事だ?」
思い切り押すと少しだけ開くがすぐ閉まる
もしかして誰かの嫌がらせか?
まるで大きな荷物が置かれている感じだ
仕方なく裏口に回り、玄関に向かった
「・・・・・・・・・こんな荷物は頼んだ覚えは無いが」
人間か?
雪に埋もれていると言う事はもう何時間もここで?
と言うか生きてるのか?
「おい」
声をかけても返事がない
「君!」
肩をゆすってみるとそのまま崩れ落ちるようにして倒れた
焦らず冷静に手首を持ち上げ脈を確かめた
まだ生きている
ここは救急車を呼ぶべきかも知れないが何かと面倒なので雪を払い、担いで待合室のソファーに寝かせた
「怪我をしているのか」
血で汚れた手を見つめ、シャツをめくった
「刃物で刺された傷・・・」
本当に面倒な事に巻き込まれそうだがこのまま見過ごすわけには行かない
診察室から治療に必要な道具を持って来てその場で手術した
幸い急所から外れていたので死ぬことは無いだろう
まぁ・・・あのまま朝になっていたら死んでいたかもしれないが・・・
かと言ってここへ寝かせておくのも考え物だ
「・・・・・・・・・・仕方ないか」
動かすのはよくないが、そのまま抱き上げ車に乗せ家に連れて帰る事にした
驚いたのは軽さだ
成人男性なのにものすごく軽い
空いているベッドにそっと寝かせ、病院から持ち帰った点滴を打ちドアをしめた
1時間おきに様子を見に行き、俺は何をやっているんだと苦笑した
見ず知らずの人間を助けてどうするつもりだ?
目が覚めて暴れ出したら困るよな・・・
でも、体には他に切り傷があったけど不思議と左手だけには傷が無かった
まるで左手を庇ったかのように
「そろそろ点滴が無くなるな」
新しい点滴に取替え、顔を見つめた
男だよな・・・綺麗な黒髪に整った顔
今隠されている瞳はどんな光を持っているのだろう
「少し休むか」
この調子ならもう心配さなそうだし、仮眠をとる事にした
しかし・・・
捨て猫を拾うのはわかるが人間を拾うなんてね
捨て猫ならなついてくれるかも知れないが、彼はなついてくれるのだろうか?
それとも回復したらどこかへ消えてしまうのだろうか?
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