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覚悟。にしおりをはさみました!
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覚悟。
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叫び声で組員達はどよめく。
おっさんを探しているのかキョロキョロしている。
「玲於!?」
「…っ!!」
俺を見て驚いた様子のおっさんを俺は思い切り殴りつけた。
初めて殴った。
殴ろうとしたことは最初に会ったときに1度あったけど
あっさり受け止められたから。
今回が本当に初めてだった。
何故おっさんが受け止めなかったのかはわからない。
もしかしたら俺が強くなっているのかも…。
でも今はそれどころじゃなかった。
少しふらついたおっさんは俺の方を見て目を丸くしている。
「ふざけんじゃねぇ!!なにしやがんだよ!!」
「お、落ち着いて…これは…」
「俺はこんなこと望んでねぇ!!」
「………」
「おっさんが何回こういうことをしようがな、俺はまた戻ってくる。どんなに遠くに追いやっても必ず戻ってくるからな!!」
「………。」
「俺は必ずおっさんを超えてやる。覚悟しろよ。」
なんでだろう。
あんなに会いたくて寂しくて
泣きながら走ってきたのに
今は涙は一滴もでない。
ちゃんと会えたから満足したのか安心したのかはわからない。
ただ俺の中にいつかおっさんを超える強い漢になる。
そういう決心みたいなものだけがあった。
「………。」
「疲れた。寝る。」
「玲於っ!!?」
ずっと黙ったままのおっさん。
俺は言うだけ言って満足して全身の力が一気に抜けた。
おっさんが俺を呼ぶ声が聞こえて
その後は何も聞こえなくなった。
目の前は真っ暗になって考えることもできなくなっていった。
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