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18歳以上ですか?
隠伏と空の色にしおりをはさみました!
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隠伏と空の色
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「おやおや、こんな所に真選組がおいでとはどうゆう了見で?」
ニタニタと気味の悪い笑みを浮かべながらその攘夷浪士の頭らしき人物が
ゆっくりと此方に歩み寄る
「それがどうかしましたか~?」
坂田副長がこの場にそぐわないすっとんきょうな声を出したかと思うと攘夷浪士達が一斉に切りかかって来た
俺は一応帯刀しているが、坂田副長は何も武器になるような物は持ち合わせていなくて
裸も同然、後ろにも怪しげな影が殺気立たせなが潜んでいて逃げられる状況でもない
坂田副長を逃がさなければと考えていると、ジミー君これ借りるね、と俺の刀を何時の間にやら引き抜いて
攘夷浪士と応戦していた
1人切り捨てては又次と切り捨てていく
攘夷浪士達が奇声を上げて突っ込んでくるのに対し坂田副長がそれをひらりと交わして
相手の急所に止めを刺すその技の数々に俺は魅入っていた
目の前の攘夷浪士を切り捨てる間に、
いつの間にか背後から忍び寄った攘夷浪士が後ろから斬りかかる、がそれを足で吹っ飛ばし
相手の動きが鈍った所に刀を振り下ろす
坂田副長に勝てないと思った攘夷浪士達はどうやら俺に狙いを定めたようで俺の方に向かってくる
俺が、あわあわと焦っていると、坂田副長がのした攘夷浪士を俺に向かってくる奴らに投げつけたようで
そいつ等はボーリングのピンのように一斉に倒れこむ
倒れこんだ状態からすばやく立ち上がった攘夷浪士数人は予想通り坂田副長に
怒気の篭った声で突っ込んでいく
数人に取り囲まれた坂田副長はそれに臆することも無く斬っていくが、
途中で苦しそうな痛みに耐えるような声が上がったが、その瞬間坂田副長の近くにいた攘夷浪士達がばたっと一斉に伏した
それが、その場にいた攘夷浪士の最後だと確認すると俺は、坂田副長に駆け寄り
怪我の有無を確認するが、
日もすっかり落ちて、おまけに先程の
呉服屋で見繕った暗めの赤い羽織の
おかげで確認できない
「坂田副長!!・・・大丈夫ですか!?」
「ん?・・・何が?」
「何がじゃあ無いですよ、さっき呻き声あげてたじゃあありませんか!!」
「あぁ、あれね。いや~さっき団子食べすぎちゃって吐いたんだよね、ほらあれ」
そう言い坂田副長の指が指す先に目を凝らすと、丸い固形状のものが見える
山崎は安心すると同時に若干あきれていた
「んじゃ、かえろっか」
「はい、あっ!!でも、処理班に連絡しますね」
二人とも気づいてはいなかった、攘夷浪士の1人が立ち上がり背後から付けねらっているのを
そろりそろりと近づく足音、突然の奇声に共に振り向く二人を襲ったと同時に攘夷浪士は力尽きたかのように倒れる
それと同じくしてに目の前に噴き出る血
それは、坂田副長が俺を庇って
流したものだった
「副長!!」
余りの突然のことに、驚いて
俺は坂田副長を呼ぶことしかできなかった
「…っ、ウッ、ッ……テェ」
「きゅ、救護班呼びますね!?」
先程かけたばかりの屯所にもう一度
連絡しようと電話を取り出そうとすると
坂田副長の手がそれを阻止する
「呼ばなくていい、傷も浅いし
これくらい平気だ」
「平気なわけ、ないじゃ、ありませんか!!」
「これぐらいの傷なら、馴れてるから」
痛みに耐えてる表情、唇を噛んで痛みを無いものとしようとしている
こんなの、馴れてるなんて言えたもんじゃない
その言葉に驚愕して、めげずに
俺は、坂田副長に詰め寄ったが
幾ら言っても首を縦に振ろうとしないのをみかねて、後で傷の確認すると
いうことで一旦、俺達はタクシーに乗って屯所に戻った
タクシーを降りるなり、自室に戻ろうとする坂田副長を呼び止め
「坂田副長、傷の手当てしますよ!!」
「………覚えてたのかよ」
若干嫌そうな表情で
俺を見ながら溜め息をはく
「当たり前ですよ!!ほら、行きますよ」
「へいへい」
真選組じゃあ頻繁に扱う救急箱を
持ってきた俺の目の前に、坂田副長が座る、坂田副長はここまできたら堪忍したのか黙ってだが、渋々といった様子で
着ていた着物を脱ぎ始めた
屯所に戻り、明りのつく部屋に行けば
坂田副長の怪我を確認する
一番の深手は奇声を発しながら倒れた
攘夷浪士に斬られた時だと思っていたが
背中に負った傷よりも横腹を斬られた様な痕が一番深い
叉、他にも沢山の怪我をしていることがわかった
刀の刃が擦ったような跡が所々にあり、
着物も一緒に切れているので何だか
あの場に居合わせたのに何もできなかった自分が情けなくなり
それよりこの人が、嘘をついていた事を
気づけなかった自分に少し悔しさが残り
静かに拳を握らずには要られなかった
頭の中でぐちゃぐちゃ
坂田副長の準備は整ったようで
傷の確認で手一杯だった俺は
きちんと坂田副長の上半身を見ると
筋肉質だなぁと思いつつも
2度目に見る坂田副長の
肌はやはり一般男性にしては白い肌だなとも思う
そして、“馴れてる”の意味もよく理解できるほどの刀傷
血が出ている患部にまずは、
清潔な布で血を拭い、綿に消毒液をを
つけたものを患部にトントンと塗る
少し染みるのか、痛そうな声が少々滲む
「ふっ、……ン」
「我慢して下さいね」
「ちょっ、ジミーくん、…イタイ」
今まで坂田副長のペースだったのに
瞳に薄い膜をはって眉を寄せて苦しげな
顔をする坂田副長を見てると少し意地悪がしたくなって、少し強く叩き、消毒をつける
それ以外に理由として、怪我のこととか様々あるが自分が一番、楽しんでいるとかは断じてないと思う、多分
「イッ、!!ヒッ………」
「もう少しで終わりますからね」
先程の決意とは変わって
ごめんなさい、認めます
何だか坂田副長の反応を見るのが楽しく
なってしまい、何時も以上に消毒液を
塗り込んでいたなど
きずかれないようにばんそうこや包帯を
取り出すと患部に貼ったり、包帯は
大きい傷に巻いた、坂田副長に
終わったと告げると少し瞳を吊り上げて
「ジミーくん、絶対わざとだよね」
「なっ、何のことでしょうか?」
ジミーくんの急いで取り繕ったような
表情にはぁと溜め息をつくとすぐに
部屋からを追い出し
手当てされた包帯に目がいく
「大袈裟に巻きすぎだよ
そんな、大層な怪我じゃあないだろ」
こんなの、怪我のうちにも入らねぇよ
ったく、お人好しは厄介だねぇ
『銀、おめぇあいつらとうまくやれてねぇのか?』
近藤さんに心配そうに言われたことを
思い出す
「俺は、上手くやるきなんて無いね」
誰に答えるでもなく呟くと
明かりのついた部屋の襖を開け
月を仰ぎ続けた
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