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18歳以上ですか?
嫌わないでにしおりをはさみました!
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嫌わないで
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「遥人先輩?」
「ごめん…気持ちにまだ答えられないのに、縋ったりして、言い訳に使ったりして、盾にしたりして……俺、最低だよな…結生の優しさに……甘えすぎだよな」
「……」
「嫌いに、なっただろ? 俺……、意味わかんない奴に絡まれるし、おかしいところだらけだし…面倒くさいだろ」
「……」
無言が、怖い。
表情を見れないから、尚更。
でも、呆れてたり、引いてたりする顔を見たくないから、その表情を見ることもできない。
「それにさ、俺、キスしただけでおかしくなっちゃうし…その………淫乱ってのも、嘘じゃないし……」
「うん、それで?」
「…、っ!」
降りてきた声は冷たくて、体温が下がっていくのがわかった。
嫌われてしまった。
俺に幻滅してしまった。
やっと得た大切な人が、消えていく。
俺なんかを好きと言ってくれた人が、
俺なんかに体温を分けてくれた人が、
いなくなってしまう!
「俺はそれでも結生に手放して欲しくない……! 離れないでくれ!」
絞り出した声は、結生に、届いただろうか。
しばらくして、結生が腕を動かす気配がした。
肩を捕まれ、結生から引き剥がされると、絶望が俺の胸をいっぱいにした。
結生に拒否されてしまった。
そう、思った。
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