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エプロン姿とベッドの2人にしおりをはさみました!
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エプロン姿とベッドの2人
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『………ん………んんーー…朝……?今何時ぃ…』
眠い目を擦りながら、枕元に置いておいた携帯の画面をみるとすでに7時を回っていた。
何となくベッドの方に目を向けると駆と京佑が互いを抱きしめながら寝ていた
((…………んー、駆と京佑まだ寝てる…………。
?!ん?え、あれ、ちょっ…。何してんだ?!寝相のせい?!
……俺は何も見てない…俺は何も見てない…))
左側を見ると影宮くんがいない。トイレか…それとも…。
階段を降りて台所へ向かうとジュージューと何かをフライパンで調理している音と共にいい匂いが漂ってくる。目を擦りながら台所へ。
思った通り、影宮くんはそこにいた。俺に気づいた影宮くん。
『おはよ、柳田。早いな、朝飯のメインは鮭と卵焼きだぞー、もう少し待ってて』
『おはよう影m…』
思わず2度見してしまった。なんと影宮くんはエプロン姿…。
エプロンを付け、腕まくりをして目をつぶりながら小皿で味噌汁の味見をしながら鍋をお玉でゆっくりかき混ぜている姿はまるで新妻…。
『ん、味付けはこんな感じでいいか…』
《結婚して朝起きたら奥さんがご飯作ってる》
ってこーゆー事なのかな…。
((朝からなんつー格好を……ありがとうございます…))
『お、おはよう!何か手伝う事ある?朝飯の準備、1人でやらなくて良かったのに』
影宮くんは戸棚を指さす。
『あ、じゃあ6人分の食器出してくれるか?全部そこに入ってるから。
えーっと…コップと中皿、小皿、サラダボウル、あとは箸と茶碗、お椀。かな、多くてわりぃな。頼む』
『うん!任せてっ、パパッと用意するな!』
俺は昨日の様に食器を割らないよう慎重かつ素早く準備する。大勢で朝食を一緒に食べるなんて楽しみじゃないか、きっと影宮くんも俺と同じ気持ちだろう。
『皿6人分持って来てくれー』
『はーーい』
皿、1つずつにいい脂の乗った鮭の塩焼きが綺麗に置かれ、長細い皿には黄金色に輝く卵焼きが美味しそうに並べられた。
少し大きめのサラダボウルには新鮮で瑞々しい野菜が入れられた。
ただ単に野菜を入れただけなのに、こんなにも美味しそうに見えるのはおそらく影宮くんの盛り付けがいいお陰だろう。ドレッシングの入った数種類の小瓶もサラダボウルの横に置く。
『よし!こんなもんか、手伝ってくれてありがとな』
影宮くんが満足げにエプロンを外して、手を腰に当てながら言った。
『いやいや、朝早くから準備してくれたんでしょ?こちらこそありがとうだよ!お疲れ様、みんな起こしてくるね』
『あぁ』
俺は朝からいい物を見たので気分はルンルンだった。
足軽に階段を登りきり、部屋のドアをそっと開けるとベッドの横に柚樹と陸人が座っていた。柚樹は携帯を片手に持ちながらニヤニヤしていた。
柚樹よ横では陸人がやめようよ……、とオロオロしている。
俺に気づいた柚樹はシーッ、と人差し指を立てた。
『……おい柚樹…何してんだよ…』コソッ
『こいつらすげぇ密着して寝てるから、後でからかってやろうと思って証拠写真撮ってんだよ』コソッ
『うわ、えげつねぇーーwwwwwwwww』コソッ
『もーー、柚樹ぃ…やめろって…起きたらどーすんだよ…』コソッ
その時…
!!!!━━ピピピピピピピ━━!!!!
誰かの携帯のアラームが鳴り響いた。
『『『?!?!?!』』』ビクゥッ!!
反射的に後ろへと後ずさりする3人。
『誰の携帯?!誰の携帯?!』コソッ
『俺じゃないよ!』コソッ
『俺でもない…!って…事は……』コソッ
3人一斉にベッドの中の2人を見つめる。
『………ん……んーーーー…ん。あ、さ…?』
携帯を手探りで探し、画面をタップしてアラームを止める。目を擦り、あくびをしながら上半身を起こす京佑。
『…………?!………』
『きょ……………きょ………え…、』
『朝ご飯出来たから…呼びに来たんだけど…それ…、…』
俺らは目の前の光景に戸惑う。
タオルケットがかかっていて見えなかったが、2人ら密着しているだけではなかった。駆は京佑の腰に手を回して抱きしめながら寝ていたのだ。
((………やべぇ…朝から喧嘩とか勘弁してくれよ…まじで))
((………ど、どうフォローしよう………………))
((oh......………))
俺達が驚きで身動き出来ず、呆然としてしまった。京佑が腰にしがみついている駆を優しく揺すった。
『おい、駆…。朝やで、離れてくれはりますか、』
『んっ………………んんぅ……』
『はぁ…やっぱりこいつ朝、苦手なんやな…。
すんまへん、先に下行っててくれはります?俺、こいつ起こして連れて行きますわ』
『あ、うん、わかった……じゃあ下で待ってるね。』
3人は、そのまま無言でスタスタとドアへ向かい階段を降りてリビングへ。
あまりに早足でリビングへ入って来たので影宮くんは《?》と首を傾げている。
俺はリビングの床に転がっていたクッションを3つ拾い、2人に、サッ!と1つずつ渡した。
3人が一斉にクッションに顔を押し付けながら叫ぶ。
………バフッ!バフッ!バフッ!………
『…………え゛ぇぇぇ?!?どゆこと?!どゆこと?!』
『何なの?!さっきの、何なの?!?!昨日、2人に何があったの?!?!』
『何で昨日、散々嫌がってた駆が抱きしめてんのに何もしないの?!?!?!どしたんだよ京佑ぇぇぇぇ!!!!』
【3人の男子高校生がクッションを顔に押し付けて叫びながらバタバタしている】
という光景は、なかなか見られるものではないと思う。
周りから見たら、かなり恐ろしく気持ち悪い光景に見えるのだろう。だが本人達は真剣にこれをしているのだから驚きだ。
クッション声を少しでも抑えるための重要アイテム。
『何の儀式だよ、これ……』
影宮くんが、ドン引きながらやって来た。
クッションから顔を離し、焦りながら説明する。
『聞いてよ゛影宮くん!駆ときょっ……ゴッホ!オエッ!!』
『駆と京佑が密着して寝ててよ!!!タオルケット捲ったら京佑が駆の腰に抱きついて寝てたんだよ゛!!』
『逆だろ、柚樹っ!駆が京佑の腰に抱きついてたんだよ!!あ、海翔、大丈夫か?』
『んでよっ!いつも駆が絡んでくるとウザそうにしてる京介が駆に抱きしめられてんのに何も言わないしよ!!!
あいつら何かあったのかよって思って!!』
……はぁ、はぁ…はぁ。
3人はクタクタに疲れていた。
『『『本当……何だったんだよ…アレ……。』』』
『3人とも一旦落ち着いてこれ飲め。』
影宮くんがそう言って俺達に差し出したのはガラスのコップに入った水だった。ありがとう、と一気に飲み干す。
『っぷはぁーーー……』
『とにかく、お前らの話をまとめるとこうか?
2人を起こそうとしたら日向と、あのエロめがっ…じゃなかった…。えー、風霧が抱きしめあって寝てた、と?』
『そう!』
『んで、普通なら風霧は日向といると何かしら喧嘩をするのに今日は何もしなかった、と?』
『そう!!!』
『しかも、優しく起こしたが日向が起きなかったから俺が起こして連れてくから先に行ってくれるかって言われた、と?』
『そう!!!!!!!!』
『ふーーん、まぁ俺にはよくわからないけど気にしないのが1番じゃねぇか?
お互いの事、丁度いい《抱き枕》感覚で抱いて寝てただけかもしれねぇし。………………おっ、噂をすれば……』
影宮くんが振り返るとそこには駆と京佑が立っていた。
駆が俺達を見て、ヒラヒラと手を振った。
((………………WOW!!!!!!!!!))
『おぉ!みんな起きとったんかー!おはようさん!!』
『お前のせいで朝飯食うのが遅れてもうたわ、アホ』
『あぁ?!朝苦手なんやから、しゃあないやろが!』
2人は、いつも通りの流れで喧嘩をしている。
『お………………おはよ……』
ササッ
『お、おい。いつも通りの雰囲気じゃん?!』コソッ
『そ、そうだな……じゃあさっきの何だったんだ?』コソッ
『幻…………な訳ないよな……』コソッ
『ん?3人ともコソコソ何話しとるんー?どないしてん』
『せやで。早う、朝飯食べようや。』
『お、おう……そーだな…』
俺達は椅子に座った。
『おっーーーー!!ごっつ美味そうな朝飯やん!!これ全部、影宮が作ったんか?!すげぇぇぇぇ』
『おぅ。さんきゅな。じゃ、食おうか』
『いっただきまーーーっす!』
『この卵焼き見てみぃ……ごっつ綺麗に巻かれてはる…』
『味噌汁も美味しいよぉ……母さんのより上手いかも…』
『鮭うめぇぇぇぇぇ!!!あっ、サラダやべぇ!サラダやべぇよ!何、この草!何!このドレッシング!うめぇ!』
『ひぃーーーwwwwww柚樹ww草、口に入れすぎやろwww俺だって負けへんで!!』
『何を競ってんだよ。ゆっくり食え』
影宮くんが作った料理1つ1つに感動しながら、米1粒俺達は残す事なく完食した。
((さぁ、また今日も勉強会スタートだ…))
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