アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
兄貴の座にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
兄貴の座
-
学校が終わってとぼとぼ家に帰る。
二人に慰めてもらってもタツが来てくれない事実が変わるわけじゃないし、鬱な気分は続行中。
家についてはぁ、とため息をつきながら玄関を上がる。
甘いもんでもあれば気分上がるかなあ、とか思って冷蔵庫を覗いたら、ケーキの箱が入っていた。
取り出して中身を覗いたら、ティラミスとプリンとショートケーキとチーズケーキが並んでた。
たぶんヨシが買ってきたんだろう。
夏美さんは最近ハマってるとかでヨガ教室に行ってるし、親父は仕事で帰ってくるのは8時過ぎくらいだ。今帰ってるのはヨシしかいない。
それにプリンとティラミスのラインナップは俺がヨシに服を貸した時の交換条件で買ってもらうって約束したもの。
あれから二週間くらい経ってるから忘れられてるもんだと思ってた。てか俺が忘れたし。
プリンとティラミスでちょこっとだけ落ちてた気分が上がる。
一人で食べるのもなんだし、他のケーキはヨシが自分で食べようと買って来たものだろうから、ヨシも呼ぼうかと階段を上がる。
さっきから掃除機の音が聞こえるし、部屋の掃除でもしてんのかな。
そう思いつつ階段を上がりきった所で、丁度物が崩れる大きな音がした。
慌ててヨシの部屋を覗いたら、頭抑えて蹲ってるヨシと、その周りに散らかってる大量の漫画。
「ヨシなにやってんの」
「あ、ミネおかえり。漫画って大量に落ちてくると凶器だね。めっちゃ痛いわー」
そう言って頭を擦りながら立ち上がって漫画を拾う。
部屋の中に入るけど、机とかベッドや引き出しを中途半端に移動させてるせいで迷路みたいに通りにくい。
「アホだろ。クローゼットの上なんかに漫画積むからこうなんじゃん」
なんとか迷路を抜けてヨシのところまで行って一緒に漫画を拾ってやる。
「だって置くとこなかったからさー。あ、ありがと。でも今ビフォーアフター中でなんとか漫画置くスペース作ってんの」
「ふーん頑張って。てか降りて休憩しね?一緒にケーキ食おうよ。一人で食うのなんかやだし」
「あはは。ミネってそういうとこマジ可愛いね。弟みたい」
「兄貴だわバカ !!」
舐められてるのは千歩譲って許すとして弟呼ばわりは断じて許さん。
兄貴の座を明け渡すわけには。ってか何をどうやられても俺兄貴だし。
俺がそんな文句を言おうとした時に、あ、とヨシが口を開いた。
「今タツ兄来ててさ、さっきまで俺の部屋で寝てたんだけど、掃除したいっつってミネの部屋に追いやっちゃった。……ごめん許して?」
はい?今なんとおっしゃいました?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 40