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いつも見ている蜘蛛の巣にはたまに獲物がかかるだけだった
それをただ真ん中でじっと待つだけの蜘蛛
「蜘蛛の糸って面白いよね」
「どうして?」
「だってねばねばする糸も出すし、獲物を包む糸も出すでしょ?それに足につかない糸も」
「そうだね」
「無くならないのかな?」
「どうだろうね・・・翔は蜘蛛の糸って言う話知ってる?」
「知らない」
「簡単に話すとね、お釈迦さまが地獄にいる罪人の一人を見つけて、その罪人は地獄に落ちる前に蜘蛛を助けた事を思い出し、地獄から救い出す為に蜘蛛の糸を垂らしたんだ」
「罪人を?」
「そうだね・・・蜘蛛でも命はあるからと言う考えかな?そして銀色の糸はどんどん地獄へ伸びて行った・・・そしてその糸を見つけた罪人は糸を掴んだ」
「うん」
「でもね、それを見ていた他の罪人も糸を掴みだしたんだ」
「確かに地獄からは逃げたいからかもね」
「そして糸を掴んだ罪人同士が周りの罪人を蹴落としはじめた・・・誰も糸を譲ろうとはしなかった結果、糸は切れて罪人はまた地獄へ落ちたって話」
「難しい話だね・・・地獄から逃げたい罪人が譲ろうとするかな・・・逃げ出したい一心ですがりつくのかも」
「そうかもね・・・翔ならどうする?一緒に掴む?」
「う~ん・・・俺は掴まないかも」
「どうして?」
「だって悪い事をして地獄へ行ったんだしきっと諦めてるかもね」
「なるほど」
「でも考えたくないな・・・地獄とか」
「実際あるかどうかはわからないしね」
「うん、地獄より怖いところは現実でもありそうだし」
「確かに」
「でもそんな話を聞いたら虫も殺せないね」
「だね」
そう言いながら二人で微笑んだ
初めて微笑んだ楓の顔を見た瞬間胸がドキドキした
「翔?」
「ごめん・・・」
どうしよう
頭が回らない
なのに俺はとんでもない事を尋ねてしまった
「どうして楓は俺に優しくしてくれるの?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ごめん、忘れて・・・ホントにごめん、何言ってんだろ俺」
絶対引かれたかも
ホントバカ
「この闇の世界で最初に天使を見た・・・その天使に惹かれたからかな」
その言葉に耳を疑った
「えっ?」
「俺は他人に興味は持たないけど、翔には興味があったから」
「でも俺は・・・」
「過去は過去・・・生きて行く為でしょ?」
「そうだけど・・・でも」
「翔の心は白い・・・あの蜘蛛の糸のような白いマークが付いていたから」
「えっ?」
「俺にはそう見えた」
「俺・・・俺も楓の事が好き・・・なんだ」
「よかった、その言葉をずっと待ってた」
「ホント?」
「うん」
「俺、ずっと待ってるから・・・先に出てもずっと待ってる、約束する」
「嬉しいな、じゃ約束の証に」
そう言って楓は俺にキスをしてくれた
それだけでもう十分に気持ちは伝わった
そして楓はまたどこからか仕入れた薬を房の奴らのお茶に入れた
俺には飲むなと言われたから飲まなかった
そいつらはその後すぐ眠ってしまった
不思議な事に、今夜は見回りが来なかった
「おいで」
「うん」
楓に抱きしめられながら初めて嬉しいと思った
優しく触れる手はとても温かく俺を感じさせた
凍り付いた心を優しく溶かしてくれた
舌で胸元を弄ばれながら何度も声を噛み殺した
「綺麗な色だね」
「恥ずかしいよ」
「じゃ、ここも綺麗だね」
「あっ・・・っ!」
足を持たれ、そのまま楓の舌が入って来た
「ああっ!・・・っ・・・」
どうしようもない快感で頭がおかしくなりそうだった
「上に」
「うん」
そのまま腰を持たれてゆっくり楓が入って来た
「ああっ・・・っ・・・・はっ・・・っ」
「動いて」
「んっ・・・ああっ・・・っ・・・楓っ」
「すごく綺麗・・・まるで羽が生えているみたい」
「楓っ・・・もっと」
「うん」
その後も激しく攻められ続け、初めて気を失った
幸せすぎてもう何もいらない
楓だけでいい
目が覚めたのは腕の中
夢じゃなかったんだ
初めて目が覚めて嬉しいと思った
「大丈夫?」
「うん、俺すごく嬉しい」
「俺もだよ」
でも、そんな幸せも長くは続かなかったんだ
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