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269にしおりをはさみました!
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慌ただしかったテストが終わり、ついにこの日がやって来た。
後もう少しすれば梅雨がやってくる…そんな初夏を感じさせる日。
からりと晴れた空を見上げる隣には
「そんなに楽しみ?顔緩んでるけど」
今日も俺をからかうリカちゃんの姿。
「別に。っつーか拓海たち遅い」
まさか学校の近くで待ち合わせするわけにもいかず、俺たちは少し離れた駅前で合流することになっていた。
リカちゃんの運転で目的地まで向かうのだが、それがどこかは教えてもらってない。
何度聞こうとも「内緒」「秘密」とはぐらかされ、それでも食い下がれば激しいキスで口を塞がれるのだ。
「んー…さっき拾ったって言ってたから、すぐ来ると思うけどな」
「拾った?何を?」
リカちゃんが答えるよりも早く、俺たちの前に1台の白い車が止まる。
バンッと激しい音と共に開いたドアから飛び出してきたのは顔を強張らせた歩だった。
「兄貴!!なんであの人を迎えに来させた?!」
「あ?俺が行くより安全だろ」
「安全?あれでか?!あれのどこが安全なんだよ!」
リカちゃんに詰め寄る歩の後ろからはフラフラと拓海が漂ってくる。
その顔は真っ青で目も虚ろだった。
「……良かった…生きてる…」
「た、拓海?」
「あー慧だぁ…おはよー」
「うん、おはよ」
わけがわからず、戸惑う俺。歩に胸倉を掴まれながらも平然とタバコを吸うリカちゃん。
そして運転席から出てきたのは
「悪い。待たせた」
今日も真面目で堅物そうな顔をした美馬さんだった。
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