アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
320にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
320
-
「最初に言っただろ。どっちの気持ちもわかるって。
悪いけど俺は傍観するからな。
自分の事は自分で何とかしろよ大先生」
「見事なほど性格悪いわね!!」
「まぁまぁ。でもお前も悪い気はしないだろ?
若くて将来有望、その上好きな系統の顔だしな」
肩を震わせるリカは、やっぱり何を考えているかわからない。
「ねぇ。1つ聞くけどウサギちゃんにどこまで話してるの?もう少しなんでしょ?どうするつもりなの?」
「1つじゃねぇよそれ」
「うるさい。答えなさいよ」
リカは苦笑いを浮かべるけれど、ハンドルを握る手には力が込められている。
「迷う……ってさっき言っただろ」
それ以上何も言わない。
言わないじゃなく言えないのかもしれない。
それがわかるから、あたしも黙るしかなかった。
しばらくして寄る予定のサービスエリアの看板が見え、あたしは溜め息を吐くしかなかった。
数分後にまた歩ちゃんと顔を合わす。
このまま解散してしまえば、あたしたちが会うことはしばらくない。
時間と距離が彼からあたしを離してくれる。
そうすれば彼もあたし以外に目を向けるかもしれない。
あたしに持った興味が無くなるはず。
所詮、人の気持ちなんてそんなものだろう。
でも……それで本当にいいのだろうか。
そうやって逃げ回っても何も解決しないことはわかってる。
早く彼からあたしを消して。
後戻り出来なくなる前に。
心が動いてしまわないように。
「桃さん、あっち湖見えるらしいんで行きましょうよ」
「歩ちゃん……」
「ね?すっげぇ綺麗らしいですよ」
………一刻も早く。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
320 / 1234