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18歳以上ですか?
二十歳までのさよならにしおりをはさみました!
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二十歳までのさよなら
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「………………それでさこれからあたし事務所の用意した学校に行くことにしたの。そこで演技を基礎から学ぶ。だからこの家には二十歳になるかあたしが演技を辞める以外帰ってこないことにしたの」
「は!?か、帰って…こない…?」
じゃあ美弥と次にあうのは二十歳のとき…?
そんなのいやだ…!!
美弥は何事もなかったように俺の声を無視して続ける。
「で、学校で坂井美弥って使ってたら絶対デビュー前の子が何か言って来てめんどくさいから恋夏の名前かしてくれない?」
「………………え?どういうこと。?」
なに?その、ちょっと100円かしてくれない?と同じニュアンスできくの。
危うく好きなだけどうぞ、とかいいそうだったよ。。。
てか、そこじゃなくて!
名前を貸す?
「………………借りるっていうか交換ね。あたしは二十歳まで坂井恋夏として生きるから恋夏は坂井美弥として二十歳まで生きて?だって恋夏が2人いたらおかしくなるでしょ?」
………………ちょ、ちょっと待って。
「………別に貸すのはいいけど友達にはなんて説明すればいいのさ。美弥は学校を休んでる、としか言ってないのに。。。」
「………………まぁそれは恋夏が頭おかしくなって自分が美弥だと思い込んでる演技でもしといたら?演技は前に教えてあげたでしょ?コツと一緒に」
「………………え〜。頭おかしくなった演技すんのー。。。まぁいっか…」
うん。まぁいっかで済ましていい問題でもないんだけどね。。。
それからお互いの周りのことを話してたら美弥との二十歳までのお別れの時間が来た。
「………美弥。辛くなったら帰ってきてね!!いつでもお兄ちゃんが胸を貸してあげるから…!」
「………………………はぁ。馬鹿なの?何回も言ってるけどあたしらは従兄弟だってば。あ。もう一つあの美恋昌ね、あれじゃみれんしょうって読まないよ。あの時は私も適当に言ったからね。。。」
「………え!まじで!?…まぁ僕たちらしいか!」
「…ふふっそうかもね。………恋夏。じゃなくて…にぃ、ばいばい。またね…!」
美弥を乗せた車が進む。
「…っばいばーい!またね!!僕たちずっと兄妹だからねー!!!美弥ー!愛してる!」
俺はずっと手を降っていた。
美弥も窓から顔をだして手を降っていた。
美弥の乗った車が見えなくなってから呟いた一言は風に消された。
風が吹かなくても誰にも聞こえないくらい小さな声だった。
『…僕を置いていかないで……』
美弥…いかないで…。
ずっと僕の隣にいてよ…!!
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