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蛇
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「…ん、脱いだよ」
十畳ほどある和室で、僕は裸になって夜見の前に立つ。
夜見は適当に足を崩して座ったまま、そんな僕を見て、それで何もしない。
夜見のリス…は、ご不満みたいだったから、そうだな、じゃあ、猫みたいな両目だけが、僕の頭の先から、眼、口、首、胸、腹、その下で少し止まり、再度下へと降りていき、太もも、脛、足首、爪の先まで舐めるように見る。
「後ろも見せて」
「はいはい」
顔が見れなくなるな。
とか思いながら、回れ右をした。
先程と同じように、その場を心地よい静寂が支配する。
数分間そのままで待っていると、不意に、背後で空気が動くのを感じた。
みし、と畳が小さく軋み、すぐ後ろに夜見が立っている事を悟る。
「カイ、お布団敷いたよ」
「眠いなら寝たら?」
「カイも一緒に寝るの」
「本当に寝る?」
「うん」
「嘘」
「うん」
「だと思った」
「沢山撫でて、気持ちよくしてあげる」
「あげるって、夜見が触りたいだけでしょ」
「でも気持ちいよ?」
「寝るんじゃなかったの」
「眠くないもん」
もう暫く問答を続けても良かったが、その前に夜見がしびれを切らした。
「お、っと」
「ん、お布団入って」
「はいはい」
見慣れた、真っ白な布団の上に寝そべると、肌に触れた布の感触が心地よかった。
「掛け布団掛けるね」
「寒くないよ」
「汗かくから。風邪引く」
「余計な事ばっかり覚えるんだから」
「カイの事だから。大事な事。余計じゃない」
「はいはい」
でもだからと言って、そこまで慎重になる必要がどこにある。
そう言いながらひっぱたいてやりたくなるほど、夜見は慎重に僕に布団を掛けた。
狭いから入れてあげないよ。と言う間もなく、足元から芋虫みたいに侵入してくる。
「あ、こら」
「えっちなカイが悪い」
「夜見にだけは言われなくないね」
そう?とこちらを見下ろす夜見のその身体は、成長途中の中学生の様で、だが不相応に艶めかし
い。
考えてみれば、西園寺の娘も来年には十五、六だったはず。成程、合点がいった。
「カイ?」
「夜見は、いつからそうなの」
「僕はずっと僕だよ?あ、いつからカイの物になったかって事?」
「それは知ってるよ」
「じゃあ、どういう事?」
「…やっぱり何でもない。ごめんね、どうでも良い事訊いた。ほら、お詫び」
「あっ、んぅ、はぁん」
さらさらと、指に絡まる銀色の髪が心地良い。
「だ、めぇ、んはぁ」
僕の上でぶるぶると起き上がろうとする夜見の頭を、より優しく、労わる様に撫でる。
「だめって、さっき夜見がしてほしいって言ったんじゃない」
「ぃ、まはぁ、ぁう、ん、だぁ、め、なのぉ」
「わがままだなぁ。ん、よいしょ」
「あぅ」
髪を撫でていない方の手で、夜見をぐいんとひっくり返す。
仰向けになった夜見の身体に、冷えないように布団を掛け直した。
「寒くない?」
「お布団、冷たい」
「そっか、どうして欲しい?」
「撫でて、暖かくして。ぁ、んぅ」
止めていた手を再度動かし、同時に肌の上に手のひらを滑らせる。
力の入らない肢体がぴくぴくと動くのが可愛い。
「どう?気持ちい?」
「は、んぁ」
胸元のあたりから、脇腹、そのまま弧を描くようにして脇をなぞり、もう一度胸元へ。
一度目の時には無かった尖りが出て来ていて、思わず頬が緩んだ。
「ふう」
「ぁっ、はっ、はぁ」
耳に息を吹きかけて少しだけ手を浮かし、触れるか触れないかの距離でなぞる。
少しだけ湿り気を帯びた陶器のような滑らかな肌は、僕の手が動くことを望んでいるかのように蠢き、何時までも触っていたくなる。夜見が泣きじゃくるまで、何時までも。
つぅ、と鎖骨の中心からへそに向かって線を引くようになぞると、夜見は一際大きく痙攣し、しかし達するには刺激が足りなかったのか、泣きそうな声で喘いだ。
「ぁ、い、ちゃん、と、さわぁ、ん、はぁ、さわ、て、よぉ」
身体の中に細長い、蛇の様な生き物がいる。
足元から侵入してきたそいつは、僕の背筋を締め上げて、ずるずると動き回る。
「夜見、よーみ。今自分が何言ったか分かる?ほら、ちゃんと考えてご覧よ。
僕の上に、素っ裸でのっかって、売女みたいに股広げて…ほら見て、我慢汁だらだら。
触ってあげただけでこんな風になっちゃうんだね、しかももっと触ってだって?」
「ぁ、う、はぁうぅ」
蛇は動きに激しさを増して、方手を内股に滑らせた。
「ひぅっ、あ、はっ」
「ん?…あぁ、口閉じれなくなっちゃったんだ」
頬に何かが垂れて、舌を伸ばして舐め取ってみると味の無い涎だった。
髪の毛をかき分けてあげると、気持ちよさそうな声を出した夜見の口端からとろりと粘液が零れだす。
勿体ないので下から救い上げるようにして舐めとり、ついでに頬にキスを落とした。
「夜見、可愛い」
「ぁ、ぁ」
僕の顔が見たいのか、不明瞭な声を出しながら頭を動かそうとするので、押さえつける。
「可愛い。すっごく可愛い。赤ちゃんみたいで。すっごくいやらしい」
「ぁ、ふ、ふん、んん、か、いぃ、顔、顔、見たい」
「駄目、見せない。言う事訊けたら見せてあげる。入れても良いよ。意地悪しないから」
「ぁ、は、ほ、ほんと?」
「うん。じゃあね、朝まで、一緒に頑張ろっか」
やっぱり、焦らされすぎて泣きじゃくる夜見が見たい。
「ぁ、え、ぁさ、朝、おひさまの、朝?」
「そう。明日の日の出は何時だろうね」
「ぃや、やだ、無理、出来ない、そんなの、むっ、りゃ、ぁ」
「一晩中、沢山啼いて。僕を欲しがって、夜見」
僕の中で、蛇が動く。
震えた背筋が、手を動かす。
なぞられた肌が蠢いて、小さい口から僕の名が漏れた。
「かぃ、か、い、カイ、カイ」
それを聞いた蛇が、僕の中で、また、動いた。
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