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「それで…何で大志の庭は、動物なんだ?」
僕よりも先に我が家の門扉を開けて庭に入った正貴くんが
飾られた動物たちの飾りを見て不思議そうに首をかしげている。
「あ…それは、平ちゃんが…」
我が家もね?ちゃんとクリスマス仕様に飾ろうと思ったんだよ。
最近は、庭を飾る人も増えてきたから色々なデザインがあると思って
ネットで調べていたんだ。
僕の目的は、ご近所の方たちとの話で防犯の為にと考えて。
小さい子供もいるから、クリスマスも雰囲気が出て楽しいかと思っただけなんだ。
だけど、平ちゃんが…。
「ぼくねぇ~?いっぱいの、どうぶつさんがいぃのぉ~♪」
可愛いのをいっぱいお願い♪って言われたら、ダメとは言えないじゃないか。
宝くんのお家にも♪って可愛い顔でニッコリされたら、即OKするよね?
それじゃ~と思って、探したけどさすがに小動物は大変だったよ。
それに…。
宝くんには、動物は断られちゃったし。
「ふ~ん…。それで兎にリス?よく探したな…」
「動物園みたいにして欲しいって言われるとは、思わなかったんだけどね…」
だから、我が家のイルミネーションは単色カラーの光だけではなくて
赤・青・緑…と、とにかく平ちゃんが喜ぶように鮮やかになってしまった。
すこし煩いくらいかな…?
「それで、うちはサンタが迷わず来れるように出来上がったわけだ?」
「だから~っ!何でそうなるのっ?」
「はははっ…。悪かったって。…サンタは一人だけ、なんだよな?」
ほら…。分かっているくせに、ズルいんだよ。
この世でたった一人のサンタさんが、帰り道迷わず帰ってきてくれるように。
自分が家で待っていることを伝えたくて、子供のトナカイを置いたこと。
宝くんが自分の言葉で、僕にお願いしてきたんだからな。
「もうすぐ、クリスマス…だったな…」
「そうですよ?忘れないでくださいね?サンタさん」
今日は、ちっさい子供だと思っていたのに
急に成長した姿を見せて驚かせてくれた。
でも…しっかりしてきたようで、まだまだ小さな子供たち。
守るのは、僕たち父親の役目なんですから。
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