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秋晴れ
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「あ、瀬戸くんおはよ」
入り口前で腕組をしていた爽やか王子、宮本くんが俺に気づいてにこりと爽やかに挨拶をしてくれた。朝から爽やか……そして俺にも挨拶をしてくれる宮本くん王子かよ。
「はよー。なぁ、何でこんな騒がしいの?」
俺が宮本くんに尋ねると、宮本くんはちょいちょいと手招きする。
それに従って近付くと、宮本くんが耳元でこしょこしょと囁いた。
「え、学園祭?」
「おーす……って何騒いでるんだ?」
「あ、須崎」
「学園祭か、もうそんな時期かー」
ついこないだ席替えをしたため、俺の席の隣には宮本くん。須崎は宮本くんの前だ。
そんな斜め前に座る須崎が月日って早いな、とじいちゃんまっしぐらの思考をし始めた所で、
「ッいった!なんで叩いた!?」
「お前が失礼なこと考えてた気配がな……」
エスパーかよ……こわすぎ。
思わぬ才能に怯えながら、自分の頭を押さえていると、隣からくすっと笑う声。
振り向けばくすくすと笑う宮本くんと目が合った。
「あ、ごめんね。つい面白くて」
「あ……いや、そうじゃなくて……宮本くんって笑っても爽やかだなーと」
「え?爽やか?」
「王子様って言う感じ?うーん、なんか全身ミントで出来てるって感じで!」
「いやそれ褒めてないだろ」
須崎からの指摘にあっ、そっか。と納得しながら当てはまる表現を探す。
「はは、やっぱり面白いね、瀬戸くん」
宮本くんがまた笑うと、俺の頭をぽんぽんと撫でた。ハルとは違う手の感触。
なんだろう、もし俺に兄が居たら……こんな感じなのかなって、思う。
お兄ちゃん、っぽいのかな宮本くん。
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