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内緒
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ボールの跳ねる音、スキール音が響く体育館に女子の歓声まで上がっている。
女子はバレー、男子はバスケ。二つに分けられたコートでそれぞれ楽しんでいたがやはりミーハー心は嘘をつけないのだろう。
男子のイケメンくん達の白熱した試合に女子は釘付けだ。須崎も顔はいい方でスポーツマン。わっさわっさモテるモテる。
俺はと言えばハルのような格好いい容姿も学年上位に食い込める頭も、他の誰よりも目立てる運動神経もない。
そりゃスポーツは得意だけど、クラスの一番ってほどじゃない。
「瀬戸ナイッシュー!」
「おー」
はぁ、虚しいね。せっかく決めたって須崎のような歓声はない。おーとかおぉーとかおぉぉーとかしか言われない。お前らおー好きすぎか。
気分が一つ落ちれば余計なことまで思い出してさらに落ちていく。どこまでも終わりの見えないネガティブ周期がよりにもよってここできた。
「……あー」
なんだか急にハルに会いたくなった。もうあの一件とかどうでもいいからハルとゲームやったりテレビ見たりしたい。
と、同時にまた顔が熱くなった。なんだこれ、おかしい。今日の俺は絶対におかしい。
ピタリと立ち止まって額に手を当てる。あ、これってもしかして。
「瀬戸危ない!!」
「え、」
バコッと鈍い音と痛み。それと同時に俺の視界はブツンッと乱暴に切れた。
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