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もやもや
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ハルも足を止めてから、ゆっくりと振り返る。その気だるげな瞳が俺を映す。
「イオがそんなに嫌がる理由って、なに?」
蛇に睨まれた蛙、今の俺を例えるならそれだろう。
いつも通りの声がまた逆に怖い。
「とりあえず行くよ」
ハルに腕を引っ張られ、資料室に向かう。抵抗しようと思えば出来た。けど俺はそれをしなかった。
ぱたん、と閉められた資料室の扉。
……またここに戻ってくるなんて思わなかった。それも数時間も経たない内に。
「俺がなんでここ選んだか分かる?」
ガチャッと鍵が閉められる。思わずバッと顔を上げた俺の目に映ったのは舌なめりをするハルの姿。
「……覗きは楽しかった?」
「っ!」
知ってる、ハルは知ってるんだ。俺があの告白を見ていたことを……知っててここを選んだんだ。
何か言わねぇと、そう思って口をパクパクさせて必死に声を出そうとする。そんな俺を見てハルは口角を釣り上げた。
「俺が告白されてて、どう思った?」
まるで全てを見透かしてるような問いにばくばくと心臓が跳ねる。
「教えて、"兄さん"」
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