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ぽろり、落ちて
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「肉よーし、スープよーし、サラダよーし、っとと……ご飯も炊けたな」
ぱかっと炊飯器を開ければぶわっとお米のいい匂いと湯気が立ち込める。
ペカペカ光るふっくらしたお米をしゃもじでさっくり、釜の底から返すように混ぜる。
夜はハンバーグだからって、昼はハルと一緒に一つのオムライスをつついて食べたからお腹ペコペコだ。
「イオ……腹減った」
それはハルも同じらしくて、ちょっぴり安心した。時計の針を見ると時刻は8時半を回っている。
「んーもうすぐ来ると思うんだけどなぁ、ちょぴり試食する?」
「する」
即答、どうやら余程腹の虫が訴えているようだ。俺もだけど。
「じゃーちょい待って、」
冷蔵庫から朝の残り物だった鶏そぼろを取り出してから、俺は手を水で濡らす。
少し掌に塩をつけ、しゃもじで炊きたてのご飯を掬って掌の上に置く。
「あちッ」
やっぱり炊きたてだと熱い。ラップにしとけば良かったと思うけど、これだけでラップはもったいない気もする。
少し窪ませた中心に鶏そぼろを置いてその上から少しご飯を足す。
熱いけどそれを何とか堪えて、形を整えていく。
丸から三角、おにぎりはやっぱり三角だよなぁ。
「ほい、出来た!つか、熱い!早く取って!」
ハルはのそのそ小皿を取り出してきて、それにおにぎりを乗せる。
ぱくり、といつもより大口でおにぎりをかじるハルを見ながらあっ、と今になって気づく。
「あー海苔付けんの忘れた、いる?」
「いい、これだけで充分美味いから」
またぱくり、とハルが食べ進める。まだ熱いようでは……と息を吐いていた。
「ハルー俺の分つくんのめんどーだから一口ちょーだい」
手を洗いながらあー、と口を開ける。ハルはおにぎりから一口分を指でつまむと俺の口に突っ込む。
「っむぅ……ほ、ほおひゃはいっ」
そうじゃない、って言おうとしても上手く喋れない。モグモグと咀嚼してから口を開いた。
「そっちよこせよ!」
「分かんなかった」
「嘘つけ!笑ってんぞ口!」
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