アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
好きの痕※
-
怒りが滲んだ瞳は真っ直ぐ俺だけを映す。
なんだかこうしていると、世界が俺達二人だけのために存在しているような気分だ。
ふたりぼっち……もしも本当にそうだったなら、苦しむことも悲しむことも悩むことも諦めることも、しなくて済んだのだろうか
そんなの理想にしか過ぎないけどさ。
今だけはそんな理想にすがりたいかも、なんて。
なんて、馬鹿みたい。
「別に、なーんもねぇよ?」
ケロリと吐き捨てた言葉と共に送る笑顔は百点満点のステキな笑顔。
誰がどうみても瀬戸伊織のいつも通りの笑い顔だ。
なのに、どうしてハルちゃんはそんなに怒った顔をするの?
「い"っ!」
突然くるりと体を反転させられ、慣らしていない蕾にモノを捩じ込まれた。
「ぃ……ってぇ……」
体を貫かれたような痛みが俺を襲う。
ぽろぽろと零れる涙で視界が歪む。
痛みに耐えるようにシーツをぐしゃりと握りしめ、首を振る。やめて、と悲願する俺に対してハルはそれを裏切るように腰を打ち付けてきた。
「ん"、ぁ……ぁ"、いッ……」
「……痛いのになんで勃ってんの?」
「ッあ"……ん……や、ら、たって、な……」
「勃ってんだろ、変態」
ぞくぞく、体を駆け巡る興奮。
こんなこと言われてこんな痛いことされてんのに気持ちよくなってるとか、あり得ないのに。
ガツガツ遠慮なしに腰を打ち付け、逃がさないようにと強く掴む指の爪が腰に食い込んで痛い。
でも、これでよかったのかもしれない。
最後にこんなに激しく痛くされたら、きっとどこかに痕だって残ってくれる。
いつか消えてしまう痕。
それでも俺はハルの痕が欲しくて、たまらなかった。
胸元で揺れるネックレスのような確かな形の繋がりが欲しかった。
切れることのない繋がりが欲しかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
84 / 108