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スッキリ、までとは行かないけれど幾分か心の整理はついた。
須崎と別れた帰り道、青々とした空を見上げながら息を吐く。
俺はやっぱりハルが好きだ。
最後に至った結論は結局、それだった。
本当ならとっくに諦めなきゃならない気持ちなのに、本当ならとっくに捨てなきゃいけない気持ちなのに、俺は最後までそれを大事に抱えていた。
お手上げだ。
俺にはどうにも出来ない。
だから、いっそそれを認めようと思った。
認めた上でハルの兄で居ようと……
今はまだ兄ちゃんを上手く出来ないかも知れないけれど、きっと戻るから。
俺が言ったんだ、戻ろうって。だからちゃんとお兄ちゃんするよ。
だけど、だけど、時々。
ハルの熱を思い出して泣いてもいいかな。
ポロリと零れる涙を袖で拭う。
ここ数日ですっかり泣き虫になってしまった。こんなんじゃみっともないよな。
ハルにも、笑われるかも。
「……兄ちゃんは泣いたりしねぇもん」
誰に言った訳でもない独り言は、強がりと嘘で出来ていて虚しくなった。
ハルから貰ったネックレスを服の中から取り出してギュッと握る。掌に跡が付くくらい強く強く、いつまでも握りしめて一人ぐずぐずと泣いた。
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