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「おい、冬…」
言いけて、冬が池の先にある空を、ぼんやり見てるのに気付いた。
あぁ…冬はこれがしたかったんだな…。
ただ、空を見上げて雪が降るの待って…。
…なんだか、せつないよ…冬。
せつなくて、哀しい…。
「…わ…わ?司さん…?」
上着とマフラーと防寒用の帽子を 無理矢理被せた。
被せられた帽子を押し上げて、冬はびっくりしてる。
「薄着なんだよ、冬は!せめて、これ してろ!」
「…司さんが寒い…」
「俺は大丈夫なの!…熱あんだから、せめてこれくらい温かくしてねーと、強制的に帰らすぞ!」
マフラーをぐるぐる 巻いてやる。
俺が寒がりで、夜になれば寒いかも…って思って 万全な体制で来て、本当に良かったー!
ちょっとさみーけど…。
「10分だけだぞ。10分たったら帰るんだ、な?」
…マフラーぐるぐる巻きにされた冬が、きょとんとして、それから 幸せそうに微笑んだ。
「…あったかい…。」それから空を黙って見上げてる。
「…雪…降るかな…」「雪雲 無いし、それに、まだ冬始まったばかりだろ?
降らねーよ。」
「…そっか…。
そう…ですね。…」
にこにこ笑ってる…。
…なんだか、おまえが消えてしまいそうで…。
怖いよ。冬…。
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