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「…せめて 薬 飲も?冬。」
「は…い。」
起きようとするが、何度やっても 起きられない…。
「あ…れ…、おかし、いな…」
…だから!笑うなって…。
堪りかねて起こしてやって、支える。
「すみ、ません…司、さ…」
薬を渡す。
がたがた震える身体…、熱い 手…。
飲もうとして、手が震えて上手く飲めない。
「あ、れ…」
「貸してみ、冬。」
薬を口に入れてやり、水を飲ませる。
冬はごくごく飲んだ。
喉、渇いてたんだ…。
そういう事は 早く言えっちゅうの!
もう一杯 水飲ませてから、やっと人心地ついた冬を 元のように寝かせる。
「ん、飲めた、飲めた。」
冬もほっとしただろーが、俺もほっとしたー!
これで熱が下がる!
…多分…。
冬の頭なでる 俺を不思議そうに見上げる。
「…なん、で?」
「薬 飲めたから。えらい、えらい!」
「…?…」
「ちょっと眠れ、冬。その前に、遅くなるって連絡入れよう?
両親の連絡先教えて?」
「いま、せん…。今日、帰っ、て来ない。」
だから笑うなって…。「そっか。じゃ 眠れ、な?」
家の事は話したがらない冬…。
こんな状態の時に 問い詰めるのも…
それに 冬はもう限界だ。
眼を閉じて荒い、苦しそうな息を吐いてる。
不安だ…。
ほんとに熱下がるのかー…?!
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