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90 冬
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《冬》
…司さんから毎日、メールが来る。
僕は返事、出さない。
…もう止めよう。会うの…。
僕は僕がわからない。
それに、メールも電話もなんて言ったらいいのか、わからない。
多分、熱で余計な事 言ってそうだし、それに、ぽかぽか、あったかい温もりは…司さん…?
ううん!多分夢…夢なら夢でそんな、大それた夢見るのはどうかと思うし…、
現実なら現実で、…。…きっと、本当の冬を知ったら…。
だからもう 会わない。
それが1番いいんだ。
僕は、臆病者で嘘つき。
雪になりたい…。
早く雪に…。
でも、本当は、司さんと居たい…?
わからない…。
怖いんだ。
司さんが本当の冬を知って、罵り見捨てられるのが…。
それに僕は言うつもりない、僕がどれだけ汚なくて 浅ましいのか…。
…空はここからでも見えるし、司さんとこから帰ってから上がり下がりしてる熱が落ち着いたら、また 水に降る雪の場所、探しに行こう。
…司さんから今日もまた、メールが届く。
早く忘れて。
…でも僕は忘れないよ。
冬って呼んでくれた。
優しくしてくれた。
それだけで、もういいんだ…。
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