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side K-2
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会計を済ませて店の外に出ると、ちょうど新也が乗った車が停められた。
「要、乗って」
…怒ってんな…。
これ以上怒らせるのは得策でないと身をもって知っているため、黙って車に乗り込む。
「…………………」
辛い。沈黙が辛い。ってか、そもそもなんで俺がこんなキレられてんだ?バカなことしやがったのはこいつだし、こいつの性生活のせいで俺が最近寝不足で電話に出れなかったのも仕方ないことだろう。なのに、
「なんで、俺が怒られるんだよ…」
もう泣きそうな精神状態の俺は、そんなことをまた無意識に漏らしていたらしく。
新也が、ピクリと眉を吊り上げたことにも気づかなかった。
それからも無言のままマンションに着いた新也が俺を引っ張り入れたのはやはりと言うべきか寝室で。
そこで俺を押し倒して漸く、こいつが口を開いた。
「要はわかってないよね」
「は、あ?」
何が、どうわかってないって言いやがるんだよ。
てか痛い。掴まれた腕が痛い。
「なんで?なんで俺はこんなに要のこと愛してるのに、要はそうじゃないの?なんで俺の話も聞いてくれないわけ?なんで勝手に決めつけるの?なんで?俺のこと信用してない?それとも自信がない?俺には何があっても要だけだって、信じてくれてると思ってたっ!」
ギリッ、と、腕を掴む手に力が込められる。
痛い…、が、多分それ以上に、こいつの胸は痛んでるんだろうと思う。
確かに何も聞かずに飛び出して心配かけたのは事実だ。ひとまず謝ろう。
「おい、それは俺が悪かっ、「もう、いい」
「は?」
「もう、いいよ要。俺のこと信じてないんでしょ?なら、もういい。ここから出さなければ要はもうどこにもいかないし何があっても俺だけでしょ?」
「いや、ちょっと待て」
その展開はちょっと、まずくないか?
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