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あなたを愛します 12
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数日して、ミカのお見舞いにミュリエルと幹部たちがやってきた。
少々やつれたが、ミカの笑顔に皆が安堵した。
彼らが帰った後、ミカはアルを手招きした。
「?」
近寄るとミカがアルを抱きしめた。
「アル、大変だったね。ご苦労様」
それは社長としてのねぎらい。
アルはあえて言わないようにしていたが、今日のお見舞いでミカはアルの仕事に思い至ったのだろう。
アルがひとりで重責を抱えていたことにミカは礼を言った。
「何も問題なかった?」
アルは押しつぶされそうになっていた責任を肩から降ろせると思ってほっとした。
しかしすぐに、この状態のミカに丸々押し付けるわけにはいかないと気付いた。
こんな重い責任にミカは耐えてきたのかと驚く毎日だった。
とても自分には担いきれない。
音を上げそうになった頃合いを見計らったかのようにミカが抱きしめてくれた。
嬉しかった。
無責任だとは思うがミカに返せてホッとしてるのが正直な気持ちだ。
それでも、いつかは自分が担う。
そしてミカは、まだ本調子ではない。
今からでも負える分は負おう。
なるべく早く任せてもらえるように努力しよう。
ミカの負担を軽くしたい。
もっと成長しなくては。
アルは頭の隅で、そう考えていた。
「はい、大丈夫です、社長」
「アルが優秀なお陰だ。ありがとう」
ミカはそっとアルの頭を撫でた。
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