アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
カラ松の声と騒がしい玄関先の音で大体予想できるけど……
俺は溜息を付いて部屋へと戻った
「一応聞くけど、どうしたの?」
部屋では涙目になった情けない兄がいた
「ま、また怒らせてしまった………」
怒らせた、ねぇ……
また些細なことで理不尽に殴られたであろうカラ松は
赤く腫れる頬に涙を伝わせ口角を無理矢理引き上げていた
「…今、冷やすもの持ってくるから待ってて」
「しかし、俺は一松に謝らなくては……!」
そう言って立ち上がろうとするカラ松の頭を軽くゲンコツ
「いたっ、……えっ、なんで……?」
涙目になり頭を押えるカラ松を見下ろし
「今行ってもまた殴られるだけだろ?
それよりも先にその頬少しでも冷やす方がいい、
しばらく安静にしとけよ……」
そう言うとカラ松は情けない顔で笑った
「…あぁ、そうだな…ありがとう…」
毎度の事だけど、本当によく喧嘩するよな…
「別にいいよ」
俺は冷蔵庫から小さな保冷剤を取り出す
また一松がカッとなって手を上げちゃったんだろうなぁ…
一応皆に知らせておくか…
“見つけたら家に連行して”っと、これでいいだろう
俺は保冷剤を新しく手に入れたにゃーちゃんのハンカチで包む
「はいどーぞ」
「ありはと」
部屋に戻ると口を切っているのかカラ松の
親指は赤に染まっていて
「うっわ…痛そ……」
「?だいじょうふだぞ」
まぁ、元々体は丈夫な方だし……
とりあえず保冷剤とティッシュを渡し
腫れが治まるのを待っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 63