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1 代役
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「なぜ俺は一松を怒らせてしまうのだろうか…」
悲しそうに言うカラ松の隣に並ぶ
「別に10割カラ松が悪いことなんて無いよ」
ただ優しすぎるだけ
小さく聞こえて欲しくないと強く思い呟いた
今は少しでもカラ松を肯定してあげたくて
「しかし、一松が悪いわけじゃないんだ、
…わかってやってくれ」
まだ腫れて少し紅い頬をしたカラ松は俺を見て情けなく微笑んだ
正直カラ松にこんな顔をさせる一松に
少し腹が立つし、羨ましい。
俺にはきっとカラ松にこんな顔をさせるほどの存在じゃないから
………なんて言ったらコイツは多分珍しく怒ってくれるんだろうな
「?どうしたチョロ松」
「いや、何でもない」
でも、俺は言わない、言えない。
そんな勇気俺は持ち合わせてないから
「なんだ?言いたいことがあれば
遠慮なく言うんだこのカラ松に……な…」
「なんで溜めたの?」
この脳なしバカには一生わからないだろうな
「ムム、このカラ松には言えないことなのか……」
「……あの」
ブーブー
声を遮るように電話の音が響く
「…ん?なんだ?」
電話の音を無視して俺に耳を傾けるカラ松
「電話出なよ、多分おそ松兄さんだと思うし」
そう言われ電話に出たカラ松
「もしもし、今会った。あぁ、わかってる。
うん、じゃ」
そう言って電話を切ったカラ松は
「晩飯が出来たそうだ。そろそろ帰ろうか」
そう言ってサングラスをかけ直した
「うん、そうだね」
そう言って二人肩を並べて歩く
「ところでさっき何を言おうとしたんだ?」
珍しく真剣なカラ松の声を聞いた
カラ松なりに俺が何か伝えようとしてる事を
感覚的に感じたのだろうか
「………たまには相談乗ってあげるよってこと」
またまた口から出たのは似合わない言葉
するとカラ松はサングラスから切れ長のたれ目を覗かせ
「チョロ松はいい子だな」
「ちょっと…子供扱いやめろよ…!」
すごく恥ずかしくなってそっぽを向く
「…俺はチョロ松の方が優しいと思うが…?」
遠慮気味の声に隣を見ると照れて笑うカラ松
さ、最初の言葉聞こえて………!!
「け、ケツ毛燃えてろ!!!」
「照れることはないぞブラザー!!」
俺がカラ松の愚痴を聞けるような存在なら今はそれで満足かな?
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