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「寝れないの?」
1人居間でボーっとしている背中に声をかける
「……チョロ松兄さん」
俺は隣に腰を下ろし持ってきた水に口をつける
「珍しくない?一松がわざわざ一階に降りるなんて」
いつもならモゾモゾと布団の中で寝付くのを待つタイプなのに
「まぁね……たまたまだよ…」
そう言ってふい、っと目をそらす一松を見る
「……まぁ、どうでもいいけどさ」
そう言うと何か言いたそうに俺をチラチラ見る一松
「……カラ松が“一松は何も悪くないだってさ”」
「……………あっそ…」
一松が俺から聞きたかったのはきっとこの事
あからさまに反応したくせに素っ気ない態度をとる
心配してるのになんでお前はそんな態度とるんだよ。
カラ松のこと傷付けるの止めてやれよ。
アイツほんとに、優しすぎるんだから
口には出ない言葉が次から次へと出てくる
そう、カラ松もカラ松だ、一松だけ特別視し過ぎなんだよ…
「……アイツってさ、何だかんだ甘いよね……」
ボソッと呟いた一松に思わず声が漏れる
「………お前さ、カラ松に甘えるの程々にしとけよ
カラ松はお前だけの兄貴じゃないし、お前だけの理解者じゃないからな
カラ松に夢見すぎるのもやめとけよ?」
飲み干した空のコップを置いたまま俺は2階へと上がった
一松、どんな顔をしていたんだろ…
とてもキツイ言い方だと思ってる、
でも正直スカッとしてるし後悔はしてない。
俺は正論を言っただけ。
そう、カラ松は一松だけの兄じゃない、理解者でもない。
ただ甘いだけ、優しいだけ。
みんな兄弟、みんな大好き。それがカラ松。
それでも俺は、唯一の兄であるおそ松や寄り添って貰える一松が羨ましいんだ。
「(一番カラ松に夢見てるのは俺じゃないか。)」
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