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脱出と逃走。4
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まずは、さっきも言ったように
温かい食べ物。
今までは僕が食べている時間中
部屋には誰もいなかった。
だけど今日はずっとお父さんがいたんだ。
見られながら食べるのは緊張したし、
本当は怖かったけど、
取り上げられる前に食べてしまいたくて
いつもより急いだ。
膝を抱えるように座って
膝の上にお皿を置いて
スプーンですくって一口ずつ噛み締め飲んだ。
初めての温かいスープは
冷えきった体と一緒に
心も少しだけ温めてくれたような気がした。
そんな僕の頭にポンッと手がのせられた。
そのまま撫でるようにおろされた手に驚きを隠せず、
僕の頭を撫でたお父さんの顔を恐る恐る見てみると、
お父さんは泣いていた。
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