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体を支えられて 裏の通りを歩かされる。
朦朧とする意識の中で ついさっき見た北条の目を思い出し 背中に悪寒が走る。
なのに 北条の手が触れている場からじわじわと熱が生まれ 感情とは真逆の何かが湧き上がる。
「離して…下さい…っ」
力の抜けた手で 北条から逃げ出そうとするが その拍子に また足元がふらつく。
「ほらな。だから黙って 俺に寄りかかっとけよ」
(ヤバい…こんなんじゃ流される…)
「触るな…!」
渾身の力で 相手の腕を振り解こうとした その時…
強く後ろに手を引かれ よろめいた先には 柑橘系のコロンの香り。
(誰…?)
顔を確かめようと 視線を巡らすが 目の前が霧のように霞み 誰だか区別がつかない。
「アンタ この人の何?」
(この声…まさか…)
何度かの瞬きで ゆっくりと視界が戻って来る。
「何って 仕事上の友人だよ。君こそ 誰?」
不機嫌そうな北条が 歩み寄ってくるのがわかり 響はビクッと身を竦ませた。
それが伝わったのか 優しく肩を抱かれる。
「俺も 友人ってとこかな。でも アンタみたいに変な物を飲ませる関係ではないよ」
「失礼な!へ、変な物って何だよ。証拠でもあるのか?!」
北条は 一瞬戸惑ったような声音だったが 挑むように 尚も近づいて来た。
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